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2018.02.14 11:30

資産1000億円の「元子役」ビットコイン長者が歩んできた道

Photo by Nils Petter Nilsson/Ombrello/Getty Images for The Sime Awards

フォーブスが2月7日発表した「世界の仮想通貨長者ランキング」で9位に入ったのが、ブロック・ピアス(Brock Pierce)だ。米国の「ビットコイン財団(Bitcoin Foundation)」のチェアマンを務めるピアスの資産額は7〜10億ドル(約750〜1078億円)と算定された。

ミネソタ州出身のピアスは現在、租税回避地として知られるプエルトリコの住人だ。しかし、彼は今もロサンゼルスで多くの時間を過しており、フォーブスが取材に訪れた際も、30名ほどのゲストを招いたパーティーの最中だった。

一流のシェフが料理をふるまう会場ではスネークダンサーらが踊り、炎のパフォーマンスが行われ、水タバコが吸えるコーナーもあった。

現在37歳のピアスはディズニー映画に子役として出演した後、17歳でウェブ動画制作企業「Digital Entertainment Network」を設立。ドットコムバブルの最中に8800万ドル(約95億円)を調達したが、その後破綻した。2000年代に入るとピアスは、ゲーム仲間とともにオンラインゲーム関連企業「IGE(インターネットゲーミングエンターテイメント)」を設立。

中国で数千名のゲーマーを雇い「ワールド オブ ウォークラフト」等のゲームをプレイさせ、ゲームのコインやアイテムを収集。世界のゲーマーに販売することで莫大な利益を得た。当時、ゲーム内の仮想通貨に関わったことが、後に仮想通貨ビジネスに参入するきっかけになったという。

ビットコインの魅力の虜になったピアスはその後、様々な仮想通貨企業の設立に関わった。「マスターコイン」や「ブロックチェーン・キャピタル」「コインベース」「イーサリアム」「テザー」「ビットフューリー」の創業を支援した彼は、2017年最大のICOとして話題となったEOSトークンを発行する「Block.one」のアドバイザーも務めた。

ここ数年、ピアスは性犯罪にからむ法廷闘争に巻き込まれた。彼の初期のビジネスパートナーが有罪判決を受けた後、ピアスも民事訴訟の被告となった。しかし、この訴訟はその後、棄却されピアス自身は何の間違いも犯していないと述べている。

ピアスは今後、ブロックチェーン上で稼働する分散型の自律的コミュニティに10億ドルを寄付しようとしている。独自の規約にもとづいて運営されるそのコミュニティは、チャリティ的な組織との位置づけで、出資額に応じて投票権が割り当てられる。このコミュニティは6月1日に立ち上がる予定で、ピアスが設立を助けた「EOS.IO」のブロックチェーンをベースとしている。

「私は今以上の金額を稼ぐだろう。その事に関しては自信がある」とピアスは肩をすくめて話した。

※本稿における仮想通貨の評価額は2018年1月19日時点のものとした。

編集=上田裕資

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