キャリア・教育

2018.02.18 10:00

社員がうつ病に 上司ができる支援法

fizkes / shutterstock.com

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誰しも、悲しさや寂しさを感じ落ち込む日がある。しかし、頼れる従業員が締め切りを守れなくなった、プロジェクト責任者が簡単な決断を下せなくなった、社交的だった社員が引きこもりがちになったなどの変化は、うつ病の兆候かもしれない。

米国では、成人の10人に1人がうつ病に苦しみ、考え方や感情、行動に影響をきたしている。うつ病を原因とした欠勤と生産性低下による損失額は510億ドル(約5兆5500億円)を超え、直接的な治療には260億ドル(約2兆8300億円)のコストがかかり、うつ病は米国で治療コストが高い病気の一つだ。

管理職のキャリアの中で、うつ病の社員を部下とすることがあるはずだ。10代からうつ病を患っている人など、病の兆候に気づいている人もいれば、家族の死去や離婚、ストレス、病気、大けがなどが原因で初めてうつ病を発症する人もいる。こうした人は、自分がうつ病だと気づいていない可能性がある。

心の病の中でもうつ病は治療しやすく、治療を受ける患者の約80%が4~6週間ほどで症状を改善している。このため経営陣は、うつ病の兆候や、従業員に必要なケアを与えるためのステップを理解しておく必要がある。

うつ病のサイン

従業員の心の健康を保つには事前の対策が重要だ。責任者や直属の監督者は、心の病について人事部から十分な教育を受け、うつ病かもしれない従業員との接し方を理解しよう。

うつ病に苦しむ人が皆、同じ症状を経験するわけではない。症状の期間や強さは人によって異なり、従業員が雇用主を信頼できず症状を隠そうとしている場合は特に、実際の状況を把握するのが困難だ。職場で見られるうつ病の兆候には次のようなものがある。

・集中、記憶、意思決定が困難になる
・生産性の低下やばらつきなど、業績や仕事中の行動が変化する
・常習的に欠勤や遅刻をする。オフィスから離れることが多い
・間違いが増え、仕事の質が低下する
・仕事を先延ばしにし、締め切りを守れない
・同僚を避けるようになる
・過度に敏感になり、感情的な反応が見られる
・仕事への興味を失う
・動きや行動が遅くなる

上記の傾向が複数見られた場合、該当の従業員となるべく早く心の健康について話す。

話の切り出し方

心の健康について話すときは、従業員が話しやすい環境を作るのが重要だ。従業員の仕事のミスではなく、健康上の懸念をまず話題にする。相手が会話に参加しやすいよう、自由回答式の質問をする。

会話では、臆測で発言しないこと。医師でないあなたが診断を下すべきではない。うつ病の症状は全く別の病気と似ている場合もあるし、社員は自分がうつ病だと気づいていないかもしれない。
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翻訳・編集=出田静

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