内定取り消しを恐れて交渉を我慢、求職者が払う代償は

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筋肉は、使って初めてつくものだ。怖いからという理由で交渉せずに内定を受けた場合、「自分はつまらない存在だ。他人のニーズの方が自分のニーズより大切だ」というメッセージをクリスティアンに向けて、そして社会全体に向けて大声で宣言しているようなものだ。

恐怖の支配する職場からやっと転職を果たした場合でさえ、次の仕事は多少つらくても我慢できると誰もが考えてしまう。しかし、一度入社してしまうとそうはいかない。直感で自分に合わないと思っているのに内定を受ければ、その代償を払うことになる。

私も同じ経験をしただけでなく、同じ状況に至った何千人という人たちと話してきたから分かるのだが、あなたの場合、内定の条件を交渉すべきだ。候補者が交渉する度胸を持っていたからというだけで内定を取り消すようであれば、クリスティアンはあなたにとって最悪の上司かもしれない。その場合、内定取り消しになれば危うく難を逃れたようなものだ。

本物の指導者は、候補者が交渉を望んだという理由だけで内定を取り消したりしない。真のリーダーは「条件を改善するため、ここを変えましょう」「すみません、改善できるのはここまでです」などと言うはずだ。そうすれば、後はあなたが決めれば良い。

無難な道を選ばなければ、神様から罰を受けるかもしれないと思うことがあっても、現実はその逆だ。リスクを取る人、恐怖心を克服している人は、トップに躍り出る人たちだ。こうした人々はレジリエンス(回復力)と影響力の及ぼし方を学び、付き合う価値がないつまらない人たちとの縁をさっさと切る方法を心得ている。自分や他者を批判せず、自分の任務と関係ない人や状況に感情的なエネルギーを無駄にせず、ただひたすらに自らの道を歩み続ける人たちだ。

クリスティアンと率直に話すべきではないかと直感的に感じているのは、その会話をする価値があるからだ。直感では話すべきだと感じているのに我慢して唇をかんでいるときの不快な気持ちを考えてほしい。あなたには後悔の念を持ってほしくない。

翻訳・編集=出田静

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