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こうした結果は、「FASDがこれまで考えられてきたよりも一般的なものである」とする各国の調査結果とも重なるものである。国によって研究手法、FASDやアルコール摂取の定義が異なるため、信頼できる調査結果を得ることは難しい。しかし、ひとつ明らかなことがある──研究者がこれまでに認識していたよりも多くの子供たちが、妊娠中の飲酒に影響を受けているということだ。

「今回の結果は、米国において有害な妊娠中の飲酒がますます多く報告されるようになってきていることとも一致しており、FASDがもたらす医療負担の大きさを示しています」と論文の筆者は書いている。現在、FASDにかかる大勢の人々を除いたFAS患者だけでも、少なくとも年間40億ドル(約4300億円)の医療費がかかっている。

科学者からの警鐘

今回の結果から米国のすべての地域について一般化することはできないが、研究はこれまでに行われた調査のなかで最も正確なものだろう、と論文の著者は書いている。またJAMAの解説でも、今回の研究で用いられた手法は、FASDの罹患率を推定するうえで最も信頼できるものだと述べられている。

「米国におけるFASDの蔓延が示しているのは、出産適齢期の女性たちに、妊娠中の飲酒が有害な結果をもたらすことを教育しなければいけないということです」と、解説には書かれている。「米国小児科学会が提案しているように、妊娠中のいかなる飲酒も安全ではないことを、明確に社会に伝える必要があります」

今回の研究が鳴らす警鐘によって、妊娠中の飲酒がどれほど一般的な障害につながるかということ、そして、妊娠中に一切の飲酒を控えることがこうしたリスクをなくすための唯一の方法であることを人々は認識しなければならない。

翻訳・編集=宮本裕人

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