だが石油準大手「オキシデンタル・ペトロリアム」の急成長の陰には、間違いなく彼女の卓越した経営手腕がある。
18歳で石油関連企業シティーズ・サービスに就職、石油採掘に魅了されて以来、彼女は採掘現場と趣味のアメリカンフットボールの試合会場をひたすら往復するだけの日々を送ってきた。曰く、アメフトが「(男性社員との)共通の話題になって垣根がなくなった」と語る。
頭角を現したホラブはCOO(最高執行責任者)に就任した後も、「人を切らずに資産を切る」方針のもと、不動産や関連会社を切り離し、業者を見直す一方で、従業員を守り続けた。テクノロジーの導入にも積極的で、掘削機にセンサーやAI(人工知能)を搭載し、効率化によるコスト削減を図っている。
「私たちは石油メジャーのように事業統合し、配当も支払っていますが、堅調に成長し続けられる程度に会社の規模が小さいのです」
ヴィッキー・ホラブ◎アラバマ大学で鉱物工学の理学士号を取得後、石油関連企業シティーズ・サービスに就職。同社がオキシデンタル・ペトロリアムに買収された後は、ベネズエラやエクアドル、ロシアなど海外を中心にキャリアを積む。同社の会長兼COOを経て現職。