ICOブームの波に乗り事業を急拡大
しかし、昨年7月の独自通貨「バイナンスコイン(BNB)」の発行がICOブームの波にのり価格が高騰するとジャオは考えを改めた。発行枚数の上限を2億コインに限定したBNBは、仮想通貨バブルの波を完璧にとらえ、1500万ドルを調達した。
バイナンスは当初、中国に本拠を置いていたが今後は日本や台湾への進出も目論んでいる(編集部注:その後のインタビューでジャオは日本進出計画を撤回したと述べている)。現在の利用者の38%は米国人であり、2番目に多いのが日本人ユーザーだ。
ジャオは先日、自身のツイッターで台湾でのスタッフの増員を開始したと述べた。今後の数ヶ月で人員を倍増させ、300名規模に増やす計画だという。
バイナンスの取り扱いコインは現在、約120に及んでいる。「これまで5000件以上の取り扱い申請を受けたが、各コインの信頼性やユーザーベース、流動性の観点から判断し、そのうち3%しか受け入れていない」とジャオは述べた。
ジャオは自らが理想主義者であると認めつつも、仮想通貨の未来に絶大な自信を持っている。取引所としてのバイナンスの売りは世界最速で信頼性の高い取引が出来ることだ。また、手数料が安いのも特徴で、バイナンスコイン(BNB)のオーナーは手数料の50%の割引が受けられる。
また、BNBの最大の保有者であるジャオは四半期ごとに粗利の20%で市場に流通するBNBを買い戻し、それらを破壊すると述べている。このスキームにより、BNBの希少価値を高め、価格を上昇させていく。
ジャオは最終的に流通量の50%に相当する1億枚のコインを回収する予定だ。その目標が達成された際に、彼は仮想通貨長者ランキングでさらに上位に入っているはずだ。
※本稿における仮想通貨の評価額は2018年1月19日時点のものとした。