SMの“女王様”からプロのキャリアコーチに転じたウルバニアクは最近、ニューヨーク・タイムズ紙で取り上げられたほか、ファッション情報サイト「ザ・カット」でも詳細な紹介記事が掲載された。
彼女は女性に向けた「言葉による護身術」のワークショップを主催している。重点を置いているのは、自分の無力さを感じたり、威圧されたりする状況を、どうやって言葉で打開するか、というアドバイスだ。
セクハラ反対運動「#MeToo」が広まり、女性が怒りの声を上げ始めた今、彼女は時代に合ったサービスを提供している。ニューヨークで開催する人気ワークショップの一つは、反セクハラ運動のきっかけとなった大物映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインにちなみ「Cornering Harvey(ハーヴェイを追い詰めろ)」と題されている。
ウルバニアクが創業した会社ジ・アカデミー(The Academy)主催のワークショップについて、ライターのリジー・グッドマンはザ・カットの記事で次のように書いている。
「アカデミーでは、正しいパワーポーズをとったり、内なる破壊女神カーリーを見つけ出したり、はたまたソファーに横たわって、寡黙な父親によっていかに自分の男性関係がめちゃくちゃになったかを探求したりする必要はない。むしろウルバニアクのアプローチは、(著名ドッグトレーナーの)シーザー・ミランに共通している。犬のしつけ方に関する彼の著作は、SM業を始めたばかりのウルバニアクに啓示を与えた。『動物は、他者の権威を感じない限りリラックスできない。私たちは皆、動物なのです』と彼女は要約する。人間関係に置き換えると、これは“力関係の武術”、つまり、体のための環境認知行動療法の一種だ」
ウルバニアクいわく、女性は自分が持つ力を理解し、自分の望む結果を得るためにそれを行使できるようになければいけないのだという。