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2018.02.11 12:00

復活の三菱、新エクリプス・クロスでSUVの牙城に挑戦

エクリプス・クロス

エクリプス・クロス

2016年に燃費不正問題が発覚してから1年半、三菱自動車はその間、日産の傘下に入りながらブランド・イメージの再建と新しいクルマ作りに集中してきた。

そして、満を持して登場したのが、エクリプス・クロスだ。復活をかけた同社のグローバル戦略SUVに、大寒の北海道で行われた雪上の試乗会で乗ってきた。今、言えることは、待った甲斐があったということだ。三菱は見事に立ち直ってきていると言える。

RVRとアウトランダーの中間に位置するエクリプス・クロスだが、スポーツカー的なノーズは2011年に生産が打ち切られたエクリプス・クーペからインスパイアされたデザインだ。2分割された後部ウィンドウのデザインは賛否が別れるけれど、僕はシャープな角度を持ったリアのスタイリングは、同車に存在感をもたらしていると思う。



今もっとも競争の激しい中型SUVというセグメントで、欧州で人気の日産カシュカイ(日本名はデュアリス)や、トヨタRAV4、マツダCX-5、ジープ・コンパス他の強豪に食い込むためには、強烈な押し出しが必要だからだ。

しかし、一変してインテリアには、さりげないデザインと質の高さを感じる。立体感のあるダッシュボードが、シンプルで使いやすいキャビンになっている。サポート性のあるシートもうれしいし、なにより手の届く範囲のアナログなスイッチ類がありがたい。つまり、機能を探し出すためにいちいちタッチスクリーンを押さなくていい。後部席はやや後ろめの配置で、充分なレッグスペースが確保されているが、そのため荷物スペースは限られている。



今回の雪上試乗会場として千歳に特設されたコースは、もちろん雪に覆われて滑りやすく仕立てられているが、そこでは三菱の意気込みが白い気炎を挙げていた。

復活後の三菱が世界に問うエクリプス・クロスは、絶対に負けられないモデルだ。同社の有力なエンジニア達が一堂に会していた。トミー・マッキネン氏をドライバーとして世界ラリー選手権(WRC)で4度の優勝を遂げ、モーター・スポーツの世界での同社の地位を築いたターボ・4WDの強者、ランサー・エボリューションの開発責任者たちも顔を揃えた。もちろん、ラリーで培ったランサーの秘密兵器、スーパー・オール・コントロール(S-AWC)の開発者責任者、澤瀬薫博士も来ていた。

彼の魔法のひとつであるアクティブ・ヨー・コントロール(AYC)も、自動車テクノロジーを牽引した4WDシステムの一部だ。AYCは、リアホイールの左右に適切なトルクを送り込む技術。ランエボの生産中止から長く冬眠していたこの技術が、ついにエクリプス・クロスとともにカムバックしたのだ。前輪駆動のバージョンも用意された新SUVだが、安全面から考えれば、僕がすすめたいのは、やはり4WDだ。
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文=ピーター・ライオン

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