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I'm a Luxembourg-based writer covering European affairs.

Yanfei Sun / Shutterstock.com

「フェイスブックが表現の自由を侵害した」として、フランス人ユーザーが同社を訴えていた件で進展があった。この訴えはパリにあるフランスの裁判所の判断をあおぐことになる。

問題となったのは19世紀のフランスの絵画「世界の起源」に関連した投稿だ。「世界の起源」は写実主義の画家として有名なギュスターヴ・クールベの1866年の作品で、女性の局部が詳細に描かれている。

パリのオルセー美術館に飾られている「世界の起源」を写真に撮り、フェイスブックに投稿した学校教師のフレデリック・デュランは2011年2月、何の予告もなくアカウントを停止された。デュランはこの件でフェイスブックを訴え、6年以上にわたりその司法権をめぐる検討が重ねられてきた。

フェイスブック側はこの訴えの審理がフランスで行われることを防ごうとしてきた。なぜなら、現在59歳のデュランはフェイスブックの利用規約に同意の上でアカウントを開設しており、そこには法的紛争がおきた場合はカリフォルニア州で裁かれるとの規約がある。

今から2年前、パリの控訴審はこの件はフランスの裁判所で裁かれるべきだとの決定を下した。

あからさまな作品の性質上、「世界の起源」は優れた芸術作品であるとともに、論争の的でもあった。この作品は何人かのオーナーの手を経た後、1950年代に精神分析学者のジャック・ラカンがオークションで手に入れていた。その後、1995年にオルセー美術館の所蔵品となった。

オルセー美術館はこの作品について次のように記している。「クールベの豊かで繊細な筆づかいと琥珀色の色づかいにより、この作品はポルノ作品となることを逃れている」

デュランは、フェイスブックは彼がヌード画像を掲載したことを理由に、アカウントを停止したと述べている。投稿を行った際、彼は作品の歴史の解説を添えて写真を掲載していた。フェイスブックはその後も方針を変えていないが、2015年以来、芸術作品でのヌード表現を許すようになった。

今では「世界の起源」の画像は、ほかの様々なフェイスブックユーザーが投稿している。この件はフランスのソーシャルメディアで大きな話題となり、ポルノとアートの境界線がどこに引かれるべきであるかの論争になった。

デュランの弁護士のStephane Cottineauは「フェイスブックはフランスの文化遺産である芸術的絵画を検閲し、ヌードを掲載したという理由でアカウントを閉鎖した」と述べた。

デュランは彼のアカウントの復活と、慰謝料として2万ユーロ(約270万円)を求めている。

編集=上田裕資

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