「小さなドームや解像度の低いスクリーンでは不可能だった詳細な映像を見せることが可能だ」と同プラネタリウムでディレクターを務めるMike Shanahanは言う。
実現は簡単ではなかった。この施設は元々IMAXが導入された映画館だったが、老朽化とフィルムでのプラネタリウム作品のリリースが減ったことを受け、リニューアルが決まった。協力企業は20社を超え、500万ドル(約5億4600万円)の費用がかかった。この資金はリバティー・サイエンス・センターの役員を務めるJennifer Chalstyが寄付したものだ。この規模のプラネタリウムの建設事例が少ないため、作業は困難なものとなった。
「参考にできる施設がなかった。思い通りに仕上がるようにシミュレーションと科学を信じた」とリバティー・サイエンス・センターのCEOのPaul Hoffmanは語る。
プラネタリウムのスクリーンには588枚のアルミパネルが使われ、シームレスに見えるように仕上げている。また5つのスピーカーと16のサブウーファーで5.1chサラウンドを実現した。画像処理のために20台以上のコンピューターを導入し、8K動画を投影可能な10台のクリスティ・デジタル・システムズのプロジェクターを採用した。
「プロジェクターが膨大な熱を発するので冷却する必要があり、電気系統と暖房、換気、空調のシステムは作り直した」とHoffmanは言う。
これほどの大規模な施設だが、ショーを見せるのに必要な人員は1人で済むという。「1つのマウスと2つのコンピュータースクリーンを用い、プレゼンターが解説と操作の両方を行える」とShanahanは説明する。
ソフトウェアはEvans & Sutherlandが作ったDigistar 6。コンテンツはNASAや欧州宇宙機関、そして民間企業などが保有するものを使っている。リバティー・サイエンス・センターはこのプラネタリウムが科学の新発見を世界に知らせる場所にしたいと考えている。
「世界中の観測所が天文学上の最新ニュースを発信する場所にしていきたい」とHoffmanは語った。