それよりもむしろ、男性ビジネスリーダーらにもっと積極的に女性たちと関わることを求めている。このアクションは「#MentorHer(メンター・ハー)」と名づけられ、ディズニーCEOのボブ・アイガーやネットフリックスのリード・ヘイスティングス、GMのメアリー・バーラといった著名経営者らも賛同している。
#MentorHerの設立の背景には、セクハラ問題が盛んに報じられるなかで、男性リーダーらが女性社員との関わりを避ける傾向が増えてきたことがあげられる。LeanIn.Orgが行った調査では、約30%の男性マネージャーらが、職場で女性社員と個別に向き合うのを避けたいと回答した。この数値は過去の調査から2倍以上に増えている。
また、女性社員に助言を与えることを避けたいと回答した男性マネージャーの数も3倍に増えている。
「男性マネージャーたちの間で女性の部下たちとのディナーや出張を、避ける傾向が高まっている。これは女性たちが上司と関わる機会を減少させ、職場における女性の地位を低下させることにつながるものだ」とLeanIn.OrgのRachel Thomasは述べた。
サンドバーグも「職場において適切なメンターシップが与えられることは非常に重要だ。セクハラ問題が原因で女性たちを孤立させる結果につながっているとしたら、それは受け入れがたい問題だ」と話した。
#MentorHerは職場の人種の問題の解決も視野に入れている。調査結果から有色人種の女性は白人女性に比べ、上司から仕事の助言を得られる機会が少ないという事実も判明している。また、#MentorHerが支援の対象とするのは、オフィスワーカーの女性だけではなく工場や農場で働く女性たちも含まれている。
「どんな職場においても、後に続く人たちを手助けし適切な助言を与える人々の存在は大切なものだ」と関係者の一人は、配管工として働く女性の話を例に説明した。
シェリル・サンドバーグは働く女性たちのバイブルと呼ばれる「LEAN IN(リーン・イン)女性、仕事、リーダーへの意欲」を出版後の2013年にLeanIn.Orgの活動を開始した。LeanIn.Orgの活動に関わる人は今では世界150か国の200万人に及び、およそ3万5000のコミュニティが誕生している。