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メイ首相(Photo by WPA Pool / gettyimages)

ロンドン本拠のヘルステック企業「Medopad」創業者のDan Vahdatは先日、中国に向かう英国政府専用機の機内に居た。イギリス首相のテリーザ・メイが通路に立って乗客と話をしているのを見て、彼は立ちあがった。

1月31日から2月2日にかけてメイ首相は中国の北京と上海を公式訪問した。Vahdatは首相に同行した51名のビジネス代表団のメンバーの一人だった。

メイ首相の中国訪問の目的はEU離脱後の中国との関係の強化だった。一方で、Vahdatの目的は現地の医療企業とのパートナーシップを結ぶことだった。機内でメイ首相とセルフィーを撮った後、Vahdatは中国での交渉に向かった。

2011年創業のMedopadはガンや慢性疾患の治療現場で医療関係者が使用するデバイス向けのソフトウェアを制作している。同社のアプリは心拍数や血圧、血糖値といったデータを収集する機能を持つ。

Medopadは既に中国の保険企業の「中国平安保険」とも契約を交わし、フォルクスワーゲンも同社のデバイスをトラックの運転手の健康モニタリングに使用する計画だ。Medopadは先日、中国の「NWSホールディングス」が主導する資金調達ラウンドで初回の2800万ドルの調達を完了。今後、トータルで1億2000万ドル(約130億円)を調達する予定だ。

ヘルステックの分野ではロンドンの「uMotif」やニューヨークの「LifeOnKey」が知られるが、彼らと同様にMedopadの強みはデータから健康予測が行えることだ。患者の健康指標をアルゴリズムが分析し、医師たちに診断を促す。

アルゴリズムを鍛え上げる上で肝心なのは大量のデータで学習させることだ。「4年近く前から中国に通うようになった。中国では他の国では不可能な規模の健康データにアクセスできる。競合よりも優れたプロダクトを生み出すために、大量のデータを用いたマシンラーニングは不可欠だ」

Medopadは現在、中国で2つの大規模な医療リサーチを行っている。そのうちの1つはテンセントと実施中で、Medopadは10億人近いWeChatユーザーにアクセスすることが可能だという。

もう1つは北京の首都医科大学の高齢者センターでのプロジェクトだ。Medopadはパーキンソン病患者の歩行データなどを分析し、最大で100万人の患者のデータにアクセスできるという。

同社は英国では国民医療サービス(NHS)ともパートナーシップを結び、米国のジョンズ・ホプキンズ大学とも健康予測ソフトの開発に向けて提携を行った。

しかし、扱えるデータの巨大さの点では、中国に勝る国は他にない。「研究のテーマによっては10万人規模のデータが必要になってくるが、そのような規模で調査が実施できる国は中国以外に存在しない」とVahdatは話した。

編集=上田裕資

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