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2018.02.09 15:00

ポルシェのピュアEV「ミッションE」はスポーツカーの未来となるか

コンセプトカーでは、観音開きのコーチドアを採用したが、市販モデルでは4ドアクーペ・スタイルとの噂もある。

コンセプトカーでは、観音開きのコーチドアを採用したが、市販モデルでは4ドアクーペ・スタイルとの噂もある。

ドイツどころか、欧州の自動車メーカーでポルシェの世話になっていないところはない。そう言われるのには、理由がある。実際、創業者であるポルシェ博士は、今でいうところの“デザイン・エンジニア”であり、研究開発から設計まで、一貫した自動車開発をできる稀有な人材だった。

高性能のレーシングカーの設計で頭角を現したことは有名だが、機械工学のみならず電子工学の知識も持ち、1900年のパリ万博で電気自動車を世に送り出し、世界初のハイブリッド車の設計まで手がけていた。戦後になってようやく、自社の名を冠したポルシェ「356」を発表し、今日に至る自動車メーカーとしての歴史を紡いできたのだ。

そして、2017年。本拠地ドイツで開催されたフランクフルト・ショーにて、ポルシェがピュアEVの「ミッションE」を発売すると宣言した。15年最初のコンセプトカーが発表されたのち、南ドイツ・ヴァイザッハにあるポルシェの研究開発拠点で、着々と開発が進められていたに違いない。

ル・マン24時間耐久レースで勝利を収めたレーシングカー「919ハイブリッド」で実力を発揮した電動パワートレインを2基搭載し、600psもの最高出力を誇る。停止状態から時速100kmまでをわずか3.5秒以内で加速する。従来のエンジン車を積んだスーパー・スポーツカーとなんら遜色ないハイ・パフォーマンスを誇ると同時に、クルマから排気されるエミッションはゼロである。

ピュアEVで気になるのが1回の充電で走れる距離だが、約15分間の急速充電によって80%までの充電が可能で、400km以上を走れる。フル充電であれば、500km以上の巡航距離を実現する。しかも、これだけの性能を得るために直接的に使う化石燃料はゼロで、自宅のガレージに非接触充電器を設置すれば、充電ケーブルで手を汚すことなくフルチャージできる仕組みだ。

当初の発売目標より一年早い19年には、ヴァイザッハの頭脳が生み出したスポーツカーの未来型として、「ミッションE」が公道を走り出すだろう。

Edit by Tsuzumi Aoyama

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