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2018.02.10 10:00

享年91歳、イケア創業者が貫いた「エコノミークラスの人生」

JuliusKielaitis / shutterstock.com

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家具販売チェーンIKEA(イケア)創業者のイングバル・カンプラードが1月27日に亡くなった。91歳のカンプラードは家族が見守るなかでこの世を去ったという。
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カンプラードは幼少の頃からビジネスの才能を発揮し、自転車でマッチを売って回り、魚やクリスマスカードの行商をしながら17歳で雑貨店を立ち上げた。IKEAという社名は彼の名前のイニシャルと地元の村の名の頭文字を組み合わせたものだ。

1947年に最初の家具店をオープンしたイケアは世界的小売業者に成長し、現在の年間売上は約460億ドル(約5兆円)に達している。カンプラードは徹底的に効率性を追求した結果、1953年に車のトランクに家具を積んで持ち帰れる “フラットパック”形式の販売スタイルを考案。1961年にはコストを抑えるため、ポーランドに製造拠点を移した。

業績を拡大するなかでカンプラードは“イケアのバイブル”として知られる「Furniture Dealer’s Testament」を出版。そこには「資源を無駄にすることは死に値する罪だ」といった格言が収められていた。
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カンプラードは2005年から2010年にかけて、フォーブスの世界の富豪ランキングのトップ10に入り、最高位は4位だった。彼の当時の資産額は約280億ドルと試算されていた。

しかし、2011年になってカンプラードの弁護士がイケアの所有権が租税回避地であるリヒテンシュタインの財団に移管されていることを明かしたため、フォーブスは彼の推定資産額を大幅に引き下げた。その後、2016年にカンプラードの資産は三人の息子たちに引き継がれた。

カンプラードはスウェーデンの懲罰的な課税制度から逃れるため、1973年に母国を離れた。2013年までイケアの会長職を務めた彼は、質素な暮らしぶりで知られた。カンプラードはエコノミークラスでのフライトを好み、20年以上もの間、古びたボルボに乗っていたと伝えられている。

2014年に彼はイケアが本社を置く、彼の故郷のスウェーデンのエルムフルトに戻った。カンプラードが息を引き取ったのは、イケアの本社から車で10分ほどの距離にある彼が生まれた家だった。

編集=上田裕資

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