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2018.02.07 12:00

FBの「マーケットプレイス」を作った女性が語る、買い物の未来

(Photo by Aytac Unal/Anadolu Agency/Getty Images)

スタートアップの世界でよく言われるのが「ドッグフードを作りたいなら、まず自分でドッグフードを食べてみろ」という話だ。フェイスブックのDeb Liuがとったアプローチはその理屈に沿ったものといえる。

フェイスブックのマーケットプレイス部門のバイスプレジデントのDeb Liuは、昨年11月に自宅の食器洗浄機を売りに出した。先日は、中古のフライパンを見知らぬ出品者から買ってみた。「お得な買い物ができてよかった」とLiuは誇らしげに話す。

フェイスブックの上級役員であるLiuは、新品のフライパンを買うお金に困っていたりはしない。しかし、マーケットプレイスの運営責任者である彼女は、自らサービスを利用しないと利用者たちの本音がつかめないと考えた。

「多くの人々が、このサービスを通じて物の売り買いが便利になったと話してくれた」と Liuは先日、フェイスブック本社の会議室で述べた。

Liuは自身の3人の子供たちにもマーケットプレイスを利用させ、玩具の販売を通じてコスト管理や売上と利益の関係などを学ばせている。

2016年10月に始動したマーケットプレイスはわずかな期間でフェイスブックのなかで存在感を誇る事業になった。米国ではマーケットプレイスは左上から3つ目のタブに配置され、ニュースフィードやメッセンジャーの次に目立つ位置に掲載されている。

フェイスブックの広報によると、51カ国で展開中のマーケットプレイスの月間アクティブユーザー数(MAU)は約5億5000万人で、2017年を通じて3倍に増加した。現在のところ利用料は無料で、有料化する計画もないという。今後は広告での収益化を見込んでいるが、現在はまだ準備段階だ。

最近では車の売買や部屋の賃貸のコーナーも開設。小規模ビジネス向けのコーナーの設置の準備も進めている。ただし、売上はLiuがかつてプロジェクトリーダーを務めた、アプリインストール広告の規模には遠く及ばない。

マーケットプレイスは、かつてイーベイとPayPalの社員だったLiuのフェイスブックにおける新たなミッションだ。「私はこれまでのキャリアでずっとコマースに関わってきた。コマースを通じて人々をつないでいきたい」と彼女は言う。

競合にはクレイグリストやイーベイがいるが、マーケットプレイスの利点はフェイスブックのつながりを用いて売り手と買い手がお互いを知れることだ。イーベイの2017年第3四半期のMAUは約1億7000名だが、フェイスブックは世界で20億人が利用している。

マーケットプレイスの立ち上げにLiuが果たした役割は大きい。彼女が最初にマーク・ザッカーバーグとシェリル・サンドバーグらに売買プラットフォームの構想を話したのは3年前のことだった。当時からフェイスブックの利用者はフェイスブックグループを通じて、個人間売買を行っていた。

Liu自身もフェイスブックグループを通じて子供のおもちゃなどを売り買いしていたが、使い勝手には不満を抱えていた。その後、少数のエンジニアたちに作業を依頼し、いくつかのグループに商品説明や価格、出品者の位置情報を表示する機能をテスト的に実装した。1年と半年ほどの期間、テストを行った結果この仕組みはうまく行くと確信できたという。
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編集=上田裕資

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