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リケジョの「自動車ジャーナリズム」


同社では、エグザビア上で動くソフトウェアの開発も加速する。会場では、実際に公道で8マイルの距離を自動運転車で走行した動画を披露したが、交差点23個、右左折8回、停止信号2回を走り抜いていた。たった1個のGPUで処理しているとは、驚きだ。

具体的には、サラウンドカメラをセンサーに使って、対向車線を走る車両、横断する人やクルマなどの障害物をモニターし、演算処理をエッジ上でこなしている。自動運転に関しては、ウーバーとの提携に加えて、バイドゥとZFがドライブ・エグザビアを採用すると発表した。

ARやVRの活用にも積極的だ。基調講演では、ARナビやARシミュレーションに関するデモを披露。一例としては、VRデバイスを装着して、シミュレーター上の仮想のクルマを人間が操縦することもできるのだが、デモを見ていても現実なのか、仮想や拡張された現実なのか、瞬時には見分けがつかなかった。

特に、光のあたり具合をシミュレーションで再現できることによって、リアルな印象が増すようだ。現実の再現をシミュレーションで行えること加えて、太陽光の差し込む確度を自由に変えたり、悪天候を再現するなど、環境条件の再現を容易にできるのがVR/ARのメリットだ。これにより、開発の加速もできる。

メルセデスの新インターフェイスでもNVIDIAが活躍

一方、ダイムラーはCESの記者発表で、新しいヒューマン・マシン・インターフェイス(HMI)、「MBUX」を発表した。

自動運転とコネクティビティへの対応を重視した設計で、インフォテインメントとメーター類がまるで一体化されているかのようにスムーズに操作できる。タッチ式で簡単に操作に加えて、機械的なボタンによる操作も残しているのは、ユーザーの好みに対応するためだ。

「すべてのインターフェイスをクルマ好きのために設計しました。例えば、自動車好きに響くような3Dの美しいグラフィックスを再現しつつ、操作系はシンプルに、車載で使いやすく設計しました。ただ、スマホで使い慣れたHMIと同等の使いやすさは担保しています」と、メルセデス・ベンツのデザイン部門を率いるゴードン・ワゴナー氏は言う。

実際、ハードウェアはNVIDIA製「Reilly PX」と「Parker128」、OSにはリナックス、マップデータにはHERE、ボイスコマンドにはニュアンス……と、最新のハードウェアとソフトウェアを備える点はスマホと同じである。もちろん、最新のスマートフォン、スマートウォッチにも対応する。

CES2018で華やかな記者発表を繰り広げた日本車メーカーと比べると、ドイツ車メーカーの方が落ち着いた印象だ。その背景には、ドイツ車メーカーにとって、自動運転やコネクテッド・カーがCESで語るべき未来の夢物語ではなく、手の届く未来にまで近づいているという現実がある。実際、現段階でもすでに、メルセデス・ベンツとBMWがレベル2の自動運転車を市販し、アウディはレベル3まで歩を進めているのだ。

文=川端由美

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