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2018.02.07

eスポーツに沸く台湾、エンタメに特化したアクセラレータプログラムの狙い

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Wanin Internationalでのピッチのもよう

企業連合の内訳をみると、5社は台湾のゲーム企業「gamania」をはじめとするゲームやエンターテインメント企業、残りの2社は不動産・投資企業となっている。なかでも「Wanin International」は、台湾で最もeスポーツに積極的な投資家であり、League of Legends LMS eplitの第四となるeスポーツリーグ「TESL(The Elder Scrolls; Legend)」のメイン株主でもある。

冒頭触れたように、法制度も整ったことでeスポーツは広く認識され始めているのは確かだが、主に優遇措置の対象とすべく、企業や投資家による新たなビジネス機会創出の面が強いため、伝統的なスポーツとはどうしても異なるという。

「eスポーツ産業のコアは『ゲーム』なのです。チームやリーグ、放送団体ではなく、ゲームこそがすべてなのです。それを理解しているWanin Internationalは、昨年初めに中規模のゲームスタジオに投資しました。のちに複数のeスポーツゲームを開発するべく、200以上のディベロッパーに拡大させました」

国際的なeスポーツ業界において台湾が力を発揮するかはまだ分からないが、何か素晴らしいものが見れらるのではないかというLi氏に、アクセラレータプログラムで印象に残ったスタートアップを挙げてもらった。

・small islandアニメーションスタジオ major IP 「肉宅」 
新しいファンを過去8ヶ月で5万人集め、1月に同社初のクラウドファンディングを開始したところ。

・Sick-Game Studio
中高生をターゲットにしたボードゲームを発表。わずか4ヶ月のうちに4千個を売り上げ、台湾で最も売れているゲームのひとつに。

・Rooit
自社の革新的なソーシャルチャットスペースが成長の可能性を体現している。2017年初期と比較すると、MAUは20倍、DAUは10倍以上に。

・CreSpirit Game Studio
同社発の大人気ゲーム「Rabi-Rabi」をPlayStaion4とPlayStation Vitaに移植したばかり。彼らによると、両商品とも毎月1万個の売れ行きという。

「2 batchでは、oiceという香港のスタートアップを受け付けました。oiceはWYS/WYGオンラインエディターや様々な読書体験を提供するビジュアル小説プラットフォームです。ブロックチェーン技術にも投資を進めていて、プラットフォーム上のコンテンツ分配システムの主軸を担っています」

アライアンス企業連合とのIP(知的財産)やコンテンツ面等含むコラボレーション、彼らとのM&Aによるイグジットも想定しているというManny氏。「Do It ! Team up !」を掲げる彼らの挑戦は始まったばかりだ。

文=木村忠昭

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