ビジネス

2018.02.11

横浜DeNAベイスターズがスタートアップと狙う「10兆円市場」の開拓

(c)YDB


横浜をスポーツ産業の“シリコンバレー”に

──2017年11月から横浜スタジアムの大規模な増築・改修工事が始まり、完成予定は東京五輪が開催される2020年。理想としては、そこまでにBAYSTARS Sports Acceleratorから、何か新しいスポーツ産業を生み出す感じでしょうか?

:そうですね。2020年をマイルストーンにしているわけではないのですが、横浜スタジアムも新しくなりますし、東京五輪も開催される。それまでには何かカタチになっているようにはしたいですね。


2020年に完成予定の新たな横浜スタジアム (c)YDB

プログラムが本格的に始まったわけではないのですが、個人的にはスポーツ業界には大きな可能性が眠っていると思っています。ここ数年で「◯◯テック」というように、さまざまな業界にテクノロジーが掛け合わされていますが、スポーツ業界はまだまだテクノロジーに疎い。だからこそ、スポーツ×テクノロジー、クリエイティブという領域には成長の余地があると思っていますし、スポーツ業界を変えていきたいという意思を持った人たちと、うまく協業できれば、何かいいものが生まれてくるはずだ、と考えています。

──これまで、いろんなメディアで「横浜をスポーツ産業のシリコンバレーにしたい」と仰っていましたが、そのために必要なことは何だと思いますか?

:横浜にはDeNAグループが関わる横浜DeNAベイスターズ、横浜DeNAランニングクラブというソフトコンテンツがあり、横浜スタジアムや横浜文化体育館などのハードコンテンツもある。スポーツ産業が成長する余地があると思っています。

だからこそ、「横浜スポーツタウン構想」を掲げ、THE BAYSをオープンし、2階に会員制シェアオフィス&コワーキングスペース「CREATIVE SPORTS LAB」をつくりました。THE BAYSの中で最も重要な場所といえば2階ですし、ここが活性化していくことが“スポーツ”を軸とした街づくり、産業創出につながっていくはずです。



BAYSTARS Sports Acceleratorは「CREATIVE SPORTS LAB」を活性化させていくための手段のひとつですし、今後も打てる手は打っていきます。国自体もスポーツ産業の国内市場規模を20年までに倍の10兆円まで成長させると言っている。

その大きな波に乗っかり、チームを強くすることはもちろんのこと、BAYSTARS Sports Acceleratorなどの事業を展開し、THE BAYSがスポーツでお金を稼ぎたい、スポーツで有名になりたいと思う人たちが集まる場所になれば、自ずと横浜はスポーツ産業のシリコンバレーになっていくと思っています。今後もチームと事業という2つの歯車をきちんと噛み合わせて、前に進んでいきたいですね。

文=新國翔大 写真=小田駿一

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