こうした出来事はほぼ毎日のように起きており、そのほとんどに共通する原因はコミュニケーション訓練の不足だ。
採用責任者や採用担当役員は、従業員が持つべき重要スキルとして常に、高いコミュニケーション能力を挙げている。コミュニケーションは、あらゆる企業の中核を担っているためだ。一人で座って仕事をする社員でさえ、大抵は電話やメールで他の従業員とコミュニケーションを取っている。情報を明確に共有できるようになれば、業務効率が改善し、理解が深まって不満も減る。
コミュニケーションの訓練は、通常トレーニングの一環として会社の全従業員が受けるようにすべきであり、会社の連携を深めて円滑に運営するためには欠かせないものだ。
成功した人の中にもコミュニケーションがいまいちな人はいるが、コミュニケーション能力を向上させれば、ほぼ確実に成功に近づける。改善の余地は常にある。何度かコミュニケーションの訓練を受けた人も含め、誰もがこのトレーニングから学ぶことがある。
職場でのコミュニケーション改善は、仕事の満足度向上や会社の業績・生産性の改善、従業員のエンパワーメントといった効果を生むとされてきた。こうした利点を会社が見逃すわけにはいかない。
全社を挙げてコミュニケーションのトレーニングを実施すれば、組織を変革できる。これにより期待される3つの大きな成果は以下の通りだ。
1. 職場のコミュニケーション向上
どの会社でも、従業員同士のコミュニケーションに多くの時間が費やされている。朝のあいさつやプロジェクトに関する簡単な報告など、シンプルなやり取りにも対人コミュニケーションが必要だ。誰しも、開放的で明確なコミュニケーションが奨励される会社で働きたいはずだが、明確なコミュニケーション方法を理解している人ばかりとは限らない。
同僚の気持ちを考えない従業員は多く、社内で衝突や政治的駆け引きが生じてしまうこともある。他人の気持ちを考えない社員は、同僚を怒らせることを口にして憎しみを生んでしまいかねない。開放的なコミュニケーションを目指しているからといって、他人の気持ちを考えずに発言して良いわけではない。
コミュニケーション訓練を導入すれば、従業員は自分の感情を制御して他者のニーズを考慮できるようになる。