コンピュータは膨大なイメージデータを迅速に、人間以上の正確さでスキャンすることが可能だ。顔認証技術は既に入国管理の現場にも導入されており、スマホのアンロックにも用いられている。
しかし、顔認証技術は便利であるものの、プライバシー擁護派の人々らは懸念を高めている。現代社会では個人の顔写真は至るところに出回っており、それらが今後悪用される危険もある。
特定の人物にそっくりの顔データを作成し、顔認証セキュリティを突破するような事態も想定できる。この方法でセキュリティを突破された場合、かなり面倒なことになる。なぜなら顔はパスワードとは違い、簡単にはチェンジできないからだ。
D-IDのテクノロジーは顔写真データに、人間の目では判別がつかない歪みを加え、顔認識のアルゴリズムで検知できなくするものだ。同社は先日、400万ドルのシード資金をPitango Venture Capitalの主導で調達した。出資にはYコンビネータも参加したほか、Foundation CapitalやFenox Venture Capital、Maverick Venturesなども支援元に加わった。
D-IDは現在、ステルスモードで運営を行っており、公式サイトには画像のサンプルなどは掲載されていない。しかし、サイトからデモの受付は行っている。
D-IDのテクノロジーは顔認識が普及した世界のセキュリティを守る上で非常に強力なツールになるかもしれない。この技術をスマホのカメラやSNSに導入すれば、現在よりもずっと安全に個人の顔写真を公開することが可能になりそうだ。