銀行のトップがこういうことを言うのは珍しいとよく言われます。私はニューヨーク勤務時代にニューヨーク大学経営大学院で学び、管理職だった2003年から2004年にかけて、マサチューセッツ工科大学(MIT)にフェロー派遣となりました。そうした米国での経験から、米国における起業のダイナミズムやエネルギーに直接、触れることができ、そこで感じたのは、変化と挑戦の重要性でした。私のモットーである「No Challenge, No Life」(挑戦なき人生は歩まない)も米国の熱気の中で育まれました。
海外との比較においても、日本のスタートアップシーンはまだまだポテンシャルがあると思います。最近、私はスタートアップ企業の経営者の方々と朝食会を始めていますが、大いなる胎動と息吹を感じています。
進化論では「強い者でも賢い者でもなく、変化に適応できるものが生き残る」とありますが、これからは「変化を創り出す者が生き残る」時代に突入するでしょう。
私たちが果たすべき役割は、従来の金融仲介機能に加えて、エコシステム内の情報仲介・生産機能をしっかりとワークさせ、変化を創り出すスタートアップ企業を支援することです。〈みずほ〉が有する国内外の豊富な取引基盤とグループの総合金融コンサルティング機能を活用し、国内・海外のスタートアップ企業と一緒に新たなビジネスを創出していきたいと考えています。
みずほ銀行は2016年4月にスタートアップ企業の発掘や支援を担う「イノベーション企業支援部」を設置し、同9月にはグループのみずほキャピタル、みずほ信託銀行、みずほ証券と投資ファンドを立ち上げた。また同11月にも、大企業も参加し、ビジネスマッチングを通じた販路拡大や経営者へのアドバイスなど各種サポートを行うスタートアップ企業向け会員制サービス「M’s Salon」をスタートしている。みずほ銀行https://www.mizuhobank.co.jp