スルーされることにも価値がある、それでも「情報共有」すべき理由

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一つの情報に対して、自分以外の人の観点を得るメリットについては、前回の記事でもお話しました。ではその具体的なメリットはなんでしょう?

例えば、僕はあらゆるプロジェクトに関わる仕事をしているので、人に情報を提供することによって、「この人がこの情報に返事をくれたということは、やはり引っかかるものがあったのかな? ということは、この情報に関するプロジェクトをやろうとしているのかも?」という推測を立てることができます。

そして、その人と再会したときに「最近こういうことが起きていますけど、気になりませんか」などと何気なく話すと、「分かるかお前。実は最近こういうことを始めようとしているんだよ。よかったら、ちょっと助けてくれないか?」と声をかけられるきっかけにもなります。

さらに大事なのは、「返事をくれないことも情報である」ということです。返事をくれないときは、「この人は、この領域に今は関心がない」という情報が得られるわけです。そうするとだんだん、“この領域に関心がある人、ない人”という業界マップを描けるようになってきます。気になることが被っている人同士は、何か一緒に始めようとしている可能性があるので、アライアンスを先回りしてとることもできるわけです。

これらはいったん習慣化してしまえば、朝の1時間ニュースをチェックしているうちに終わるので、時間がかかりません。情報とは、人に与えるものとしては、とても気軽にGIVEできるものです。どんどんGIVEしていきましょう。

文=尾原和啓

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