中国国家互聯網信息弁公室(Cyberspace Administration of China:CAC)は、ミニブログはギャンブルやポルノを助長し虚偽の情報を拡散しており、そのような行為に関わる投稿を監視・削除する仕組みを3月1日までに作るよう通達した。
「ミニブログの運営企業らは社会主義の価値観を一般に広めることにより、経済発展を推進する役割を担うべきだ」とCACは声明で主張した。
先日は中国最大のミニブログサービスで“中国版ツイッター”とも呼ばれる「新浪微博(以下、ウェイボー)」に対し、一部の企業や有名人らがフェイクアカウントを使ってフォロワー数を不当に増やした疑いがあるとして、特定のサービスを停止するよう命じた。
「企業やエンターテイメント業界の関係者によってランキングが不正操作されていた。これに関連してある種のブラックマーケットが出来ていた」とウェイボーは認めていた。
当局は「間違った世論への誘導」や「わいせつな投稿」「民族差別」もあったとしている。停止を命じられたサービスには話題のワードが分かるホット・サーチも含まれていた。また、有名人のゴシップを広めたとしてアカウントを閉鎖するよう命じられた他のミニブログ運営会社もある。
「スターの私生活に関する下品な憶測やゴシップを拡散することはネットワークの秩序を大きく乱し、国民の権利を侵害する行為だ」と当局は指摘した。
中国ではネット上の投稿の管理責任を運営会社が負うルールが2000年に導入され、企業の多くは違法コンテンツを自動及び手動で監視する仕組みを導入した。また、そのルールの一貫として、企業らはミニブログのアカウント開設にあたり、利用者らの実名を取得するよう求められていた。利用者はサービス利用開始時に、実名と国民識別番号や携帯電話番号の提出を求められる。
テンセントが運営するWeChatはすでにこれに応じているため、政府のお墨付きを得た形で、WeChatのIDが政府関連のサービスで利用可能になっている。
一方で、今回の命令はウェイボーに難題を突きつけることになる。ウェイボーは昨年の第3四半期時点で3億7600万人の月間アクティブユーザーを持つ、世界最大のミニブログサービスだ。
しかし、ウェイボーは現在、WeChatとの戦いに苦戦しており、今後ユーザー数が減少するのは間違いないだろう。