Yコンビネータがエンジェル投資家を公募、年収20万ドル以上が条件

photo by Y Combinator

米国のスタートアップ育成機関として知られる「Yコンビネータ」が投資家向けの無料オンライン講座を開講する。「Startup Investor School」と呼ばれるこのプログラムは、スタートアップへの投資に興味を持つ新たな投資家を育成するもの。

参加条件は100万ドル(約1億1000万円)以上の資金を持つ者、もしくは年収が20万ドル(約2200万円)以上の人物とされている。現在、サイトから申し込みを受付中で3月5日から開講する予定だ。修了者にはYコンビネータの「デモデイ」に、ライブストリーミング経由で参加する機会も与えられる。

「Startup Investor School」を率いるのは2011年からYコンビネータのパートナーを務め、アクセラレーター「Imagine K12」の創立者としても知られるGeoff Ralston。今回のプログラム開講の目的をRalstonは「スタートアップを支援してみたいという人々は多いが、何から手をつけていいか分からないという声が多い。そんな潜在的なエンジェル投資家の助けになる講座にしたい」と述べる。

Yコンビネータは昨年、スタートアップ企業を対象とした「Startup School」と呼ばれる講座を開講し、1万社以上が応募。そのうち1000社が10週間にわたる講座を修了した。Startup Schoolは今年も8月から開講される予定だ。

今回の新講座の狙いは、グーグルやフェイスブックなどの大手テック企業の社員だけでなく、幅広い層の人々にスタートアップへの投資に参加してもらうことだ。また、ここから生まれた投資家の資金が、従来のYコンビネータの枠を超えた分野へと注がれることをRalstonは期待している。さらに、テック業界以外の人々の参加も望んでいるという。

Ralstonによると「誰もがスタートアップに投資すべである訳ではない。スタートアップへの投資は非常にリスクが高い」という。しかし、資金がある人々が新たに参加することは、多くの起業家たちにチャンスを与えることになる。

「正しい知見を持つスマートな投資家が参加してくれるとしたら、それは非常に喜ばしいことだ」とRalstonは述べた。

編集=上田裕資

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