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2018.02.04

アウトドアから本流へ? KEENが日本での成功をバネに目指す未来

Olexandr Panchenko / Shutterstock.com

アウトドアブランドとして、ファッション性よりもその機能性で知られてきたフットウェアのキーン(KEEN)は、古い殻を打ち破り続けている。その実現を可能にしているのが、2014年に発売したオープンエア・スニーカーの「ユニーク(UNEEK)」だ。

2本のコードと1枚のソールで作るユニークは発売以来、世界中のストリートスタイルに取り入れられ、日本のトレンドセッターたちの間で人気を集めてきた。トレンドの方向性を打ち出し、強い影響力を持つ日本の複数のファッションブランドも、何シーズンか前から店舗でユニークのコレクションを扱っている。つまり、ユニークは今後、世界中の市場で受け入れられていく可能性があるということだ。

キーンは日本で昨年、「ユニークボット(UNEEKBOT)」と名付けたポップアップショップ、“世界最小のフットウェア工場”を原宿にオープンした。設置したハイテクロボットがその場で、オーダーメードのユニークを一足ずつ製造する。

こうした日本市場でのビジネスと、今後の米国内での事業展開について、同社の最高マーケティング責任者(CMO)テイラー・ラモット(以下、TL)と、イノベーン担当ディレクターのローリー・ファースト・ジュニア(以下、RF)に話を聞いた。

──米国の消費者も近く、ユニークボットを利用できるようになるか?

TL:機会はあると考えている。だが、適切なパートナーと場所を選び、確実に最もスマートな方法で実現したい。日本でのユニークボットの成功とセレクトショップ大手ビームスとの提携を受け、ファンやメディア、販売店の間では、年内にも米国にユニークボットが登場するのではとの関心が高まっている。

──日本ではその他の市場と異なり、アウトドアブランドであると同時にファッションブランドの一部ともみなされている。日本における戦略の成功のカギは?

RF: 私たちはプロジェクトを開始した当初から、日本はユニークを受け入れてくれると思っていた。ファッションについて、日本人には斬新で独創的な考え方がある。彼らはまさに、独自の世界の中にいる。

日本人は世界中のほかの国の人たちがすることに縛られたり、とらわれたりしない。東京の街中を歩けば、彼らが進んで何か新しいものを試そうとしていることが分かる。その上、彼らは品質の高さを求める。製品は見た目がクールなだけではだめだ。機能しなくてはならない。

機能的であることを基本としたユニークのデザインは、快適さも重視している。私たちが追求するのは、「シューズを履いていても、はだしでいるような感覚」だ。製品の開発プロセスにおいて私たちには、意味がないように思われてもかたくなに貫いてきたことがある。ユニークの機能性を生み出したのは、そうした頑固さに基づく意思決定だった思う。そして、それは明確に、ユニークのデザインに現れている。
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編集=木内涼子

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