地元紙Sun Sentinelの報道によると、2人の生徒には2018年1月に自殺した同級生のガブリエラ・ペイトン・グリーン(Gabriella Peyton Green)さんに対するサイバーストーキングの容疑がかかっている。
グリーンさんが自殺を図った原因について警察は断定していないが、周辺を捜査するうちにネット上でいじめにあっていたことが分かったという。
Sun Sentinelは「ネット上でのいじめがあった可能性が浮上し複数の携帯電話やSNSのアカウントを捜査した」と当局関係者が話したことを報じている。両親の許可を得て2人の生徒から事情を聴くと、グリーンさんをネット上でいじめていたことを認めたという。
2人はサイバーストーキングの容疑で逮捕・起訴されているが、未成年のため名前は公表されていない。サイバーストーキングに関する法律は州によって異なるが、フロリダ州では第三級重罪にあたる可能性がある。
警察によると2人の生徒は自分たちの行為によってグリーンさんが「精神的苦痛を味わう」と認識していたとしたが、2人の行為がグリーンさんの自殺の原因になったとは断定していない。
グリーンさんの母親は地元紙Panama City News Heraldに対し、2人の生徒が逮捕されたことに「満足している」ものの、生徒たちの両親や学校側にも責任があると話した。「学校のほかの生徒を助けることになってほしい。娘の学校から始まり、世界中の子供たちを助けることになってほしい」
また警察は、容疑者と被害者の学校ではあるアプリが大人による監視がないまま頻繁に使われ、「ネット上のいじめやセクスティング(性的なメッセージや画像を送ること)、悪意を持った人物からのアクセスに利用されていたことが分かった」とセンチネルに語っている。
子供にネットを自由に使わせたりテック企業からのオープンアクセスを許したりすることが深刻な問題を引き起こす可能性があることは、専門家が数年前から指摘している。ここ数年で世界中の数多くの子供たちがネット上での活動に関連して暴力をふるったり自傷行為に及んだりしており、教育関係者や親は子供をいかにして保護するか頭を悩ませてきた。
しかもネット上での行為に関して子供を保護するために作られた法律は、子供ゆえの行動をとった未成年者を犯罪者にしてしまうこともあると専門家は指摘する。
グリーンさんの家族が用意した追悼記事によると、グリーンさんは「好奇心が旺盛で冒険好き、賢くて自信に満ち溢れ、とても陽気で才能ある美しい少女だった。様々な才能や興味があったが、最も彼女を表しているのは他者への思いやりと役に立ちたいという意欲に溢れていたことだ」という。
グリーンさんはソフトボールを始めとするスポーツや芸術でも才能を発揮していたという。
「おじやおば、祖父母を愛していた。娘は輝く光のような存在として心に居続けるだろう。今は天使となった娘と神エホバが我々を導いてくれることを祈っている」とグリーンさんの家族は記した。
グリーンさんへのメッセージはオンラインで受け付けている。
地元警察とアメリカ自由人権協会からのコメントは得られ次第掲載する。