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「WeOS」が世界の働き方を革命する

孫が最終的に40億ドルの出資を決めた「12分の社内見学」のなかで、ニューマンが唯一披露できたのはWeWorkの「ラボ」だった。彼らは世界各地のWeWorkオフィスを、「働く」にまつわる膨大なメタデータを吸い上げるデバイスにしようとしている。利用者ごとにカスタマイズされたワークスペースから得られる情報は、常にWeWorkの管制塔に送られ続け、凄まじい量のデータが蓄積されていく。

現在WeWorkの取締役でもあるソフトバンクのロン・フィッシャー副会長曰く、「この技術的な飛躍こそが、投資に至った最大の理由」だったという。数百のスペース、数百万の会員に汎用させることができるからだ。「膨大な数の財務モデリングを行いました。どのように成長できるか、どんな利益を見込めるか、どれくらいキャッシュフローを生み出せるか、と」。

ニューマンは、テクノロジーによる最適化そのものが「WeOS」のような製品になると考えている。そうなれば、コワーキングに関心のない企業にとっても、WeWorkはなくてはならない存在となる。

「WeOS」をリースし、WeWorkのマネジャーを派遣してコミュニティを育み、オフィススペースのスムーズな運営を提供する。企業側にとっては、地味なオフィスにWeWorkの革新的な風を注入できる。WeWork側にとってもこのプロダクトは、所有資産の少ない同社の事業モデルを、さらに一歩身軽なものにしてくれる。


上海のWeWorkオフィス WEIHEI LU

You Are Not Crazy Enough

17年3月、WeWorkとソフトバンクの契約締結が東京で行われた。その場で、ニューマンとマッケルビーに、孫はこう問いかけたという。「頭のいい奴とクレイジーな奴。闘いに勝つのはどちらだと思う?」。クレイジーな奴だ、と答えたニューマンに孫は言った。

「その通り。でも、君とミゲルは、Not Crazy Enoughだ」

「WeWorkは大規模な営業チームをもたず、多額のマーケティング費用もかけることなく有機的に成長してきた。しかし、それを誇りに思うべきではない。そうアダムに言いました」と、孫は言う。

「当初の計画の10倍規模の会社に成長させるように、と。そう考えれば、あの評価額は安いですね」。いったいどの程度安いのだろうか。

「数千億ドルになってもおかしくありません」


アダム・ニューマン◎WeWork共同創業者兼CEO。イスラエル出身で、イスラエル海軍士官を経て01年にニューヨークに移り、10年にマッケルビーとともにWeWorkを創業。

ミゲル・マッケルビー◎WeWork共同創業者、チーフ・クリエイティブ・オフィサー。オレゴン大で建築を専攻。日本に渡り、英会話スタートアップを立ち上げて売却、NYへ。

文=スティーブン・ベルトーニ 翻訳=木村理恵 編集=杉岡 藍

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