ビジネス

2018.01.31

ミレニアルピンク一色の「ティー専門店」は、 なぜ日本進出を決めたのか?

ALFRED TEA ROOM 青山本店




ジョーダンから提携の話を聞いたジョシュアは、「当時、コーヒーショップには提携のオファーも来ていたんだけど、ティールームにはオファーが届いたことは一度もなかった」と前置きをした上で、「オープン間もないティー専門店に志を持って興味を持ってくれたこと。そして、何世紀もお茶の文化と信念を大切にしてきた日本で、あえてモダンで日常的なアプローチでティールームを展開することは非常にチャンレンジでエキサイティングだと思ったんだ」と述べる。

さらにこう続ける。

「僕は面倒臭がりだからジョーダンにメールの対応は任せていたんだけど、ある時彼が真剣な表情でこう言うんだ。『数週間後にミーティングを設定したから絶対来るように!』と。当時は仕方なく顔を出すつもりで出席していたんだけど、振り返ってみると彼の言葉を聞いておいて良かったと心から思っているよ」

日米の違いを取り入れることで、裾野を広げていく

アルフレッド ティー ルームがカフェ・カンパニーと提携することで狙うのは、日本国内におけるティー専門店の新たな立ち位置の創造だ。

現在、日本のお茶を取り巻く環境は、伝統や格式を重んじる「茶道」やホテルなどでのアフタヌーンティー、もしくは、街中のカフェや喫茶店で提供される「数あるメニューの中のひとつ」として扱われるお茶、というように二分されている。これでは日常的に本格的なお茶にアクセスする機会がなかなか確保されない。

コーヒー業界でサードウェーブコーヒーが両者の中間層として存在しているように、日常的に本格的なお茶に気軽に触れるための存在になる。それがアルフレッド ティー ルームの考えていることだ。だからこそ、LAでの店舗デザインはそのままに、ドリンクに関しては少しだけ日本向けにカスタマイズしている。

カフェ・カンパニーが日本国内で展開するアルフレッド ティー ルームのドリンクメニューを開発するティーマイスターの伊藤孝志は、「日常的に本当においしいお茶を飲むことができるシーンを想定して、毎日飲みたくなる商品を開発している」と語る。

現在は、日本でも馴染み深い「ミルクティー」を中心に商品を展開。使用するのは、もちろん質の高い茶葉のみ。「ミルクティー」を通じて本格的な味を知ってもらい、その次に、「ブラックティー」など茶葉そのものを楽しんでもらうことが狙いだ。

彼らはこうした違いこそが、海をまたいで店舗を展開する価値だと考えている。両者の経営について、楠本はこう語った。

「お茶を通して生活をデザインするのがアルフレッド ティー ルームの理念。そのために大切なのは、日本のお茶をLAに取り入れ、それをさらに日本に逆輸入するというように互いの要素を取り入れていく『East meets west, West meets east……』の精神。繰り返していけば自然と裾野は広がるはず」



日米の環境が違うからこそ、両者の要素を互いに取り込み合うことで新たな領域を開拓できる。アルフレッド ティー ルームはカフェ・カンパニーとともに日本に昔からある「お茶」の価値、魅力を女性たちに伝えていく。

ALFRED TEA ROOM 青山本店
東京都渋谷区神宮前5-51-8 ラ・ポルト青山 1F・2F (03-6427-3031)
営業時間 9:00〜21:00

文=野口直希 写真=大崎えりや

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