一方、英ロンドン大学バークベック校の犯罪政策研究所(ICPR)によれば、米国の刑務所制度の下で運営される刑事施設の収容率は現在、世界で113番目に高い103.9%となっている。
米国よりずっと深刻な状況に置かれることになるのは、ハイチで逮捕され、収監された全ての収容者たちだ。ハイチの刑事施設の収容率は、世界で最も高い454%。極度の過密状態は、収容者の栄養不良や病気のまん延につながっている。
また、ハイチの刑務所では1居室当たり80~100人が収容されているが、その多くには未決囚も含まれている。国連はこうした状況について、「収容者の基本的権利が恒常的に侵害されている」として、同国を非難している。
フィリピンでも、刑務所の状況はハイチとほぼ同様だ。ロドリゴ・ドゥテルテ大統領が麻薬撲滅のための「戦争」を開始して以来、状況は急激に悪化。収容率は436%に上っている。米ABCニュースによると、ケソン市にある収容限度が262人の刑務所には、3000人以上が収容されている。
世界で最も刑務所の過密状態が深刻な国は、以下のとおりだ(数字は収容率)。
1位:ハイチ/454.4%
2位:フィリピン/436.0%
3位:エルサルバドル/348.2%
4位:ザンビア/303.0%
5位:グアテマラ/296.2%
6位:ウガンダ/293.2%
7位:スーダン/255.3%
8位:ボリビア/253.9%
9位:コモロ/246.7%
10位:ベナン共和国/240.0%