世界の偉人に学ぶ「言葉の力」 変化を起こす話術とは

Photo by Keystone-France/Gamma-Keystone via Getty Images


偉大なリーダーは言葉を学ぶ

コミュニケーションの達人は、自分の前に存在したコミュニケーションの達人から影響を受けている。キング、ケネディ、チャーチル、リンカーンといった人々は全て、言葉とリーダーシップを他者から学んでいた。

例えばキングは、フォーカス・フィーチャーズの短編映像にも登場したアフリカ系米国人の米植物学者、ジョージ・ワシントン・カーバーの言葉を研究したほか、公民権運動の指導者ベンジャミン・メイズからも影響を受けた。メイズはキングが通ったモアハウス大学の学長で、学生たちに毎週、示唆にあふれた説教をしていた。

キングはメイズの説教から、演説の中に歴史上の言葉や事実を織り交ぜることを学んだ。他の偉大な演説家の多くと同様に熱心な読書家だったキングの演説には、ソローやトルストイ、ロングフェローやエマソンの言葉が引用されていた。

「リーダーシップと学びは、互いに欠くことができないものだ」と述べたのは、ジョン・F・ケネディだ。彼も、執筆・演説の学習を常に怠らなかった。チャーチルを敬愛していたケネディは、その言葉遣いを細部まで研究した。ケネディはチャーチルについて「彼の言葉のまばゆい光が、英国民の勇気を奮い起こした」と語っている。

少年時代のケネディは病弱で、病院で過ごす時期が長かった。あるとき見舞いに訪れた家族の友人は、まだ10代の彼がチャーチルの第1次世界大戦回顧録を読んでいるのを見て驚いたとされる。ケネディは、チャーチルの演説の「魅力にとりつかれていた」と言われている。

フォーカス・フィーチャーズの特集短編映像では、フランクリン・ルーズベルトの妻、エレノア夫人の次のような言葉も紹介されている。「良いリーダーは、自分たちのリーダーに信頼を置くよう人々を触発する。偉大なリーダーは、自分たちに自信を持つよう人々を触発する」

この名言は、リーダーが言葉を慎重に選ばなければならないことを改めて思い出させてくれる。言葉は人を傷つけることもできるし、癒やすこともできる。憎悪を燃え上がらせることもできるし、士気を高めることもできる。賢く言葉を使えば、他者の最も良い面を引き出すことができる。

編集=遠藤宗生

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事