「Nikkei Asian Review」が報道したサプライヤー筋からの情報によると、アップルは今期のiPhone Xの生産台数を半減させるという。これは、アップルにOLEDディスプレイを納入するサムスンにも多大な影響を与えることになる。当初の計画ではアップルは今期、4000万台のiPhone Xを製造するはずだったが、2000万台前後に引き下げる見通しを部品メーカーらに示したという。
アップルがホリデーシーズン後の四半期に生産台数の引き下げを行うのは珍しいことではないが、今回は状況が異なっている。iPhone Xの売れ行きが予想以上に悪かったのだ。
調査企業「Canalys」はiPhone 8シリーズや旧型のモデルが、iPhone Xの売上低迷を埋め合わせることはないと見ている。Canalysの調査では昨年の第4四半期に、iPhone X は最も売れたスマートフォンになり、販売台数は2900万台に達したという。ただし、この数字は市場予測を下回っており、今年の第1四半期の出足は大幅に落ち込んでいるとの報告もある。
市場シェアで見た場合、第4四半期の終了時点でiPhone Xは予想を下回る成績であり、今年に入ってからも改善の兆しは見られないのだ。
iPhoneの売上は2015年から2016年にかけて常に前年を下回っていた。2017年にヒットを生み出せなかったことはアップルのシェアをさらに低下させ、この先には次々と台頭する競合らとの激戦も予測される。アップルCEOのティム・クックの経営姿勢には、より一層厳しい目が向けられることになりそうだ。