報道によると、同社は米国市場への進出に専念するために新製品の発表を見送ることにしたという。しかし、米国への進出計画は、AT&Tが直前になってファーウェイとの提携を撤回したことで水泡に帰した。AT&Tの決断の背景には、米政府の懸念があったとされる。
ファーウェイがMWCで新製品を発表しない理由については、様々な憶測が飛び交っている。例えば、「Android Authority」と「Mobile World News」は、ファーウェイがサムスンの新端末発表と重なることを避けようとしたとの見方をしている。しかし、韓国のET Newsはそのことについて一言も述べていない。
筆者がこれまでファーウェイをはじめとする中国のテック企業についてレポートをしてきた経験からすると、この推測は誤りである可能性が高い。まず、ファーウェイはサムスンよりもアップルを意識しており、サムスンに恐れをなしたと考えるのは無理がある。また、新製品を投入する場合、アップルやサムスンの先手を打たなければ勝ち目がないことなど、テック系ジャーナリストにとっては常識だ。
ET Newsが報じた通り、米国進出に専念するためにP20の発表を遅らせたというのが実態だろう。筆者が得た情報によると、ファーウェイはAT&Tとの提携が中止にならなければ米国でリリースする予定だった「Mate 10 Pro」を、もっと長い時間アピールするために、P20の発表時期をずらしたのだという。
しかし、トリプルカメラの搭載が噂されるP20をMWCで見ることを期待していたファンは安心して欲しい。P20が欧州で近くリリースされることは確実だ。また、筆者はファーウェイがP20以外の新端末をMWCで発表するという情報も掴んでいる。