キャリア・教育

2018.01.28 11:30

脱税で投獄も「コンブチャ」で大成功 E・プラテンバーグの復活劇

Sheila Fitzgerald / shutterstock.com


エリックは刑務所で100冊以上の本を読み、ヨガとスピーチの授業をしたが、一番つらかったのは釈放後ミシェルと離婚したときだ。「事業を共に構築する傍ら離婚することは難しく、双方が感情面でとても大人になる必要があった」とエリックは語る。
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共同創業者のジェイミーがCEOに就き、エリックは営業とマーケティング代表として会社に復帰。この経験からエリックは、起業志望者が逆境を乗り越えるためのアドバイスを3つ挙げた。

1. 恐怖心を持たない

エリックは恐怖心を「精神を殺すもの」と呼ぶ。起業家の持つ恐怖心は、自尊心に基づいていることが多いという。人にどう思われるか、自分の評価はどうなるか、事業が失敗したらどうなるか──? 「他人の評価ではなく人の役に立つことを重視すれば、恐怖を感じずに済む」
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本当につらい状況に置かれたときは、自分が一流企業やアスリートを長年指導する中で与えてきたアドバイスに従った。「お気に入りの言葉は『もっと楽だったらいいのに、とは絶対に願うな。自分にもっと能力があれば、と願え』だ。起業家として直面した多くの暗い日々も、この考え方で切り抜けられた」

2. 目標を重く捉えすぎない

エリックは全国規模で成功を収めた企業を2社育てただけでなく、トライアスロンを4回完走し、エベレストなど世界の多くの高峰を踏破した。

一見不可能なことを実現する秘訣(ひけつ)は、大きな夢を持っても重く考え過ぎないことだという。「多くの人は、ある期限内での成功や夢の実現を目指して自分に圧力をかける。そのプレッシャーによって士気だけでなく、精神もつぶされかねない」

あまり熱意を込めすぎない姿勢が、深刻な逆境に見舞われも大きな夢を持てる理由だと彼は考える。「起業が計画通り進むことはまれ」とエリック。「頭を抱えても、人の最良の部分は引き出せない。予想外の事態で目標が計画通り達成できなければ、方向転換できることも大事」

3. 人の善良な面を見る

エリックが犯罪捜査を受けている間も、理事と投資家たちは距離を置かず、支援の手を差し伸べ続けた。「その優しさに感動した」とエリック。

ハム・コンブチャ理事のビル・オーウェンズに対し、自分が禁錮刑を受けたことで2人の仕事上の関係に影響があるかを尋ねると、彼はこう答えた。「変わらない3つの重要なことがある。あなたが需要の高い急成長分野の事業を手掛けていること、多くの人を助ける素晴らしい商品を作っていること、そして、あなたという人。あなたは良い人だ。顔を上げて、共に素晴らしい会社を築こう」

エリックは山あり谷ありの人生を経験したが、変わらないものが一つある。それは、良い人たちが正しい努力をすれば、人々の役に立ちたいと考える企業には良い結果がもたらされるということだ。その市場は常に存在するのだ。

編集=遠藤宗生

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