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2018.02.05

サブスクリプション化が変える「ものづくり」の未来

松崎耕介◎シュナイダーエレクトリック代表取締役 IT事業部バイスプレジデント。1984年京都大学工学部卒業後、日本IBMに入社。2001年米国IBM上席副社長補佐に就任。03年に帰国後ストレージ事業、マーケティング、営業部門常務執行役員などを経て、14年11月にシュナイダーエレクトリックに入社。


ラベルプリンタの予防保守をIoTで一元管理

ラベルプリンタの予防保守をIoTで一元管理 産業用ラベルプリンタなどの開発・製造を手がけるサトーグループも、機器の販売からアフターサービスの強化にビジネスモデルをシフトした。

「我々はこれまで、20年ごとにビジネスドメインを変えてきていて、2013年頃からビジネスのやり方をそろそろ変えなくてはいけない、と将来についての会議を重ねていた」と語るのは、サトーホールディングスのエグゼクティブエキスパート、小玉昌央だ。

サトーグループ内では、こうした会議を積み重ねていった結果、IoTを活用したラベルプリンタの遠隔保守サービス「SOS(サトーオンラインサービス」」が誕生。2015年8月から同サービスの提供を開始している。

ラベルプリンタの稼働状況を24時間365日遠隔で見守るほか、消耗部品の使用状況などのデータを自動で取得。部品交換や点検・修理などのサービスをしかるべきタイミングで行えるようにした。


プリンタの稼働状況をプリンタ内部のセンサーで収集し、それをカスタマーエンジニアが遠隔見守り。問題が起きそうな箇所を早期に発見し、必要なサポートを行うことで、プリンタの安定稼働を実現し、「予防保守」サービスを提供している。

以前は、製品が故障した際にユーザーから電話で呼び出しを受けていたが、「SOS」の提供により故障を把握・予防できるようになったため、「緊急の呼び出しは、以前の4分の1に減りました」と小玉は語る。

サトーグループがいち早くIoTを活用した遠隔保守サービス「SOS」を開始できた理由は、同社の巧みな製品戦略にある。将来の保守サービスの進化を見据えて、2014年から、グローバル製品の開発に注力していたのだ。

小玉はこう振り返る。

「グローバルでの規格の統一は苦労しましたが、将来的な保守サービス提供のためには製品を一元管理するための規格統一が必要である。そう考え、サービスの提供前から新製品づくりに着手しました」

こうした綿密な下準備により、例えば海外で2014年以降のモデルを利用しているユーザーは、ラベルプリンタ内のファームウェアをアップデートするだけで、遠隔保守サービス「SOS」を受けることができる。

同社では、プリンタを利用している顧客企業の安定稼働を維持する保守サービス業務のためにセールスフォース・ドットコムのCRMシステムを活用。また、IoT化したプリンタから自動で取得する稼働状況や消耗部品の使用状況などのデータも、顧客情報と紐付けてCRMシステム上で管理している。

「以前は1秒でどれだけ印刷できるか、といった性能を競い合っていたが、いまはそれだけを誇ったところで意味がない。サービスを強化してダウンタイムをなくすことで、お客様に快適に使っていただく。それが何より大切なことだと思っています」


小玉昌央◎サトーホールディングスエグゼクティブエキスパート。慶應義塾大学工学部卒業。米国カーネギーメロン大学で経営学修士を取得。その後、日産自動車へ入社。マーケティング、R&D、市場調査、ブランド開発、CRMなどの分野でグローバルに活躍。2012年3月、サトーホールティングスに入社。
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