Forbes BrandVoice!! とは BrandVoiceは、企業や団体のコンテンツマーケティングを行うForbes JAPANの企画広告です。

2018.02.05

サブスクリプション化が変える「ものづくり」の未来

松崎耕介◎シュナイダーエレクトリック代表取締役 IT事業部バイスプレジデント。1984年京都大学工学部卒業後、日本IBMに入社。2001年米国IBM上席副社長補佐に就任。03年に帰国後ストレージ事業、マーケティング、営業部門常務執行役員などを経て、14年11月にシュナイダーエレクトリックに入社。

製造業はいま、ビジネスモデルの変革を求められている。“機器を販売したら終わり”ではなく、その一歩先へ。視線の先にあるのは、カスタマーエクスペリエンスの向上、そして顧客が確実に成果=アウトカムを出すまで付き合うカスタマーサクセスの実践だ。


製品を販売したら終わり──これまで“当たり前”とされてきた考えは、もう通用しない。いま、製造業に求められているのはサービス業への転身。製品を販売した後のアフターサービスを強化し、付加価値を高めていくことが競争優位性を築くことにつながっていく。

実際、セールスフォース・ドットコムがグローバルの製造業300社の経営層に行った調査では、52%が「製品のみでの差別化による勝負が難しくなっている」と回答。86%が「カスタマーエクスペリエンスの向上が競合に対する差別化要素になる」、そして74%が「10年以内にサービスが収益源になると考えている」と回答した。

日本国内においても製造業は少しずつではあるが、ビジネスモデルの軸を製品による差別化から、カスタマーエクスペリエンスの強化へ、そしてカスタマーサクセスの実践へと移している。

UPS(無停電電源装置)や受配電・制御機器などエネルギーマネジメントの分野で世界的に高いシェアを誇る、仏シュナイダーエレクトリックは、2009~2011年にかけてグローバルのCRM(顧客関係管理)システムをSalesforceで統合した。

企業買収を続けたことにより、社内に乱立していた300ものCRMシステムをひとつにまとめる狙いがあった。1年半の間に2万5000人が利用できるシステムを完成させる。そんなシュナイダーエレクトリックが掲げる条件を満たすものは、Salesforceのみだったという。こうして同社でのSalesforceの活用が始まった。

シュナイダーエレクトリック株式会社代表取締役の松崎耕介は「日本ではシステム統合以外の理由でも、新しいCRMを必要としていた」と言う。

同社はこれまで代理店を経由しての製品販売がメインとなっていたが、時代の流れとともに変化も生じ始めていた。「外資系企業が日本国内にデータセンターを作るケースが増え、その際に当社の商品を直接買いたいと連絡がくるようになっていた」と松崎が語るように、シュナイダーエレクトリックは今まであまりやっていなかった、ハイタッチセールスによるお客様への提案が必要な販売機会が急速に増えてきていたのだ。

ハイタッチセールスを効率的に行うためには、営業社員が顧客に関するデータの入力や共有を円滑にできたり、そのデータを基に経営陣が受注できそうな案件や売り上げ見込みなどを素早く正確に把握したりすることが必要だった。松崎は「そうしたニーズにセールスフォース・ドットコムのCRMは合致しました」と語る。

同社では新たなCRMの導入以降、データの入力を積極的に行った営業社員に対してインセンティブを与えるなど、システムを浸透させるためのさまざまな施策を実行。こうした取り組みの結果、シュナイダーエレクトリックの営業社員が顧客との商談に使える時間が、これまでは業務時間の18.5%だけだったが、40%にまで向上した。


ERPなどで管理されている情報もSalesforceへの取り込みをすすめている。⼀つのシステムフローで全部門にまたがったプロセスを提供することで、顧客満足度向上のほか、事業部間での協業など生産性の向上を図っている。

「提案を行う顧客のことをしっかり把握し、カスタマーエクスペリエンスを高めることが少しずつできるようになってきた」と松崎は語る。製品を販売した後のサービス強化についても今後、積極的に取り組む予定だという。

小型のUPS装置を使っている企業の場合、これまでは年間契約の保守サービスに加入しないケースも多かったというが、「来年以降、装置内の機器をIoT化し、パーツを交換するタイミングを把握したり、故障時にいち早く駆けつけたりするなど、遠隔から保守サービスを提供することも考えている。安価に保守サービスを提供できるので多くのお客様にご利用いただけると思いますし、利便性も大きく向上するはず」と松崎。

シュナイダーエレクトリックはグローバルでもサービス強化に力を入れており、産業用アプリケーションのサブスクリプション(製品を買い取るのではなく、利用する期間に応じて料金を支払う仕組み)提供をスタートするなど世界的にも珍しい取り組みを進めている。

最後に松崎は「日本でも今後、さまざまなサービス強化をしたいと考えている。例えば、UPSのハードを販売するだけでなく、月額課金のメニューを用意するなど、サブスクリプションモデルで使ってもらうことも想定しています」と語った。
次ページ > ラベルプリンタの予防保守をIoTで一元管理

Promoted by セールスフォース text by Yohei Yoshida photographs by Donggyu Kim(Nacasa&Partners), Mizuaki Wakahara

タグ:

ForbesBrandVoice