超AI時代の暮らし方について未来の住空間を考える対談型カンファレンス【blueprint】を連載。


落合:ちなみにキャスパーが取得する画像は、ローカルで処理していますか?

小暮:驚かれると思いますが、そうです。

落合:もしクラウドに送っているとすると、画像を認識するまで2秒くらいかかるなと思ったんです。通信インフラが5G(第5世代移動通信システム)になると、画像認識速度が超高速になる。5Gは通信速度を10Gbpsに引き上げる方向で検討されていますし。そうやって超高速大容量、超低遅延の通信ができるようになると、AIやIoTの普及と結びついて、AIは僕たちの暮らしにより身近なものになっていくでしょうね。

人は動かなくなる。AIを活用した健康維持・管理が進む未来

小暮:先のスタッフが、「住んでいるとき、キャスパーが見守ってくれている感覚があった」と話していたのは、興味深いなと感じました。住めば住むほど自分自身でやることが減っていって、眠りにつきそうなときは、そっと電気を消して、カーテンを締めてくれるわけです。

落合:人はますます動かなくなるでしょうね。太りますよ(笑)。



小暮:人生100年時代、100年動かない人間がいてもおかしくない日が来るかも(笑)。そのぶん、人間は何か違うことをするようになるんでしょうね。

落合:むしろ、スポーツばかりしてるかもしれませんね。人間の体のことを考えると、心臓に負荷をかけないほうが長生きできますけどね。極端な話、まったく動かない人のほうが、運動する人より長生きしますから。

小暮:確かに。

落合:AIが人の健康を管理するようになり、予防医療が当たり前になると、人の寿命はさらに伸びると思いますよ。AIマンションならぬ、AI老人ホームなんてすごく良いんじゃないですか。湿度の維持や換気を適切に行って、病気の感染経路を完全に断つシステムも夢じゃない。

小暮:老人ホームに限らず、高齢者はAIマンションのターゲットです。例えばAIを活用することで、高齢者が室内で倒れてしまったら、家族にアラートを流して、異変を伝えることもできます。

落合:5年後くらいには、高齢者がセンサー付きの家に住むのは普通になっていると思います。孤独死は減るでしょうね。

小暮:高齢者は余生の6割を家で過ごすと言われます。そのぶん、室内で亡くなる可能性も高いわけで。スマート化していくべきですよね。センサー付きの家で、室温と体温の差を確認して、「◯度差があると暖房(冷房)を付けよう」とAIが学習してくれて、温度差を見て適切な室温に調整し、病気にならない状況を作ってくれる──そんな時代は数年後に来ると思います。

落合:老人ホームに限らず、家の住みやすさはより重要になりますよね。ひとつの理由として、兼業する人がこの先増えていくからです。ひとつの職業に就いているだけでは、ポートフォリオ・マネジメントもリスク分散もできません。

小暮:ご著書『超AI時代の生存戦略:シンギュラリティに備える34のリスト』にも、兼業で働く人が増えるお話を書かれていましたね。

落合:はい、さらにテレワークも増えていくでしょう。メールの返信や電話対応をオフィスでやる意味はなくて、在宅でできる仕事です。家にいて動かなくなるわけですから、ヘルスケア分野がますます注目されるようになるでしょうね。



小暮:室内でのヘルスケアを考えると、キッチンも×AIで進化していくと思います。料理の写真を見せると、それを作ってくれるAI搭載ロボットを製造する会社が海外にあるんですよ。現時点ではオムレツなど、ごく簡単な料理だけ作れるようですが。今後はテクノロジーを活用してキッチンがより便利になるだけでなく、健康になれる料理をAIが考えてくれるなど、UX、体験寄りの開発が進んでいくと僕は見ています。

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