世界最大の「アルゴリズム市場」を作ったエンジニア2名の奮闘

アルゴリズミアCEOのDiego Oppenheimer(前列中央)、CTOのKenny Daniel(後列左から2番目、photo by Algorithmia)


「自分たちの構想に自信を持つことができたが、その後はKennyと2人で5ヶ月間に渡って24時間体制でコーディングを行い、マーケットプレイスのアルファ版をリリースすることができた」とOppenheimerは言う。

アルゴリズミアのシステムは特定のプログラミング言語に依存せず、APIを使って簡単にデプロイすることが可能だ。アルゴリズミアのこれまでで最大の成果の一つが、カリフォルニア大学バークレー校のコンピュータビジョン・ラボと協力し、白黒写真を自動的にカラーにするプロジェクトを立ち上げたことだという。

このプロジェクトは数百万人が閲覧し、世界中で200を超える出版社から出版された。この技術はアルゴリズミアのシステム上で幅広く利用され、同社は得られた収入で新たなハードウェアを購入することができたという。一部の政府機関もアルゴリズミアのサービスを利用している。

グーグルからも出資を獲得

グーグルは昨年、AI関連企業への投資に特化した新しいファンドを立ち上げたが、その最初の投資先がアルゴリズミアだった。アルゴリズミアはこれまでに数多くの買収提案を受けているが、創業者たちはこのまま事業を拡大することに関心があるという。

グーグルは買収提案をしていないが、あらゆる企業がAIレイヤーを開発するか購入する必要があると考えている。グーグルのエンジニアリング担当ヴァイスプレジデントであるアンナ・パターソンは、これまで機械学習システムの設計とデプロイに何年も費やしてきた経験から、アルゴリズミアのサーバレスでマイクロサービスなアーキテクチャに感銘を受けたという。

「世界最大の機械学習企業からお墨付きをもらい、独立性を保ちながら協力し合っていけることは、お互いにとってwin-winだ」とOppenheimerは話す。

編集=上田裕資

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