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“フォトジェニック”を読み解く

Worawee Meepian / Shutterstock.com

企業が仕掛けるイベントやキャンペーンの打ち合わせではよく、「インスタグラムのフォロワーが何万人以上の子を呼びたい」といったリクエストを耳にします。インフルエンサーの影響力の指数として挙げられがちな「フォロワー数」ですが、これには「ちょっと待った!」を言いたくなります。

フォロワー=影響力という方程式は、必ずしも正解とは限りません。ときには、疑ったほうが良いこともあるのです。その理由は大きく2つあります。

ひとつは、残念ながら「フォロー」も「いいね」も、お金で買えるサービスが存在しているから。お金を積めば誰でも明日には、(フォロワー数だけは立派な)インスタグラマーになれてしまうのです。たまに「どうしてこの子が?」と疑問に思いフォロワーを見てみると、投稿・フォロワーともに0の空アカウントがずらりと並んでいることも。「買ったんだな」とわかります。

もう1つの理由は、フォロワーが本物だとしても、紹介する商品のターゲットとフォロワーのペルソナにズレがあると意味がないからです。たとえば、何万もいるフォロワーの9割が男性だったとします。そこで女子向けコスメのPRをしたとしても、売れる確率が極めて低いのは当然。

こうしたアカウントは、コメント欄に特徴が出ます。「美人で素敵な〇〇ちゃん」とほめ言葉で埋め尽くされていたり、おじさんが使う見慣れない絵文字が連打されているなど、熱狂的な男性がコメント欄をジャックしていることが多いです。

フォロワー数≠ファンの人数

このように本質を見失ったインスタグラマー施策を見るたびに、企業は一体何にお金を使っているんだ……と、心が痛みます。

近年、見られた数(インプレッション)よりも反応(エンゲージメント)を重視しようとする流れが強まってはいるものの、依然としてプロモーションのKPIがフォロワー数に設定されることが多いため、こうしたミスマッチが起きてしまいます。定量的なフォロワー数はわかりやすく、クライアントの安心材用にもなりやすいのですが、フォロワーの属性やアカウントとの関係性など、定性的な要素も合わせて見ていくことが非常に大切です。

インフルエンサーを目指す人にも、仕事を受けるためにはまずフォロワー数を稼がないといけないという認識が強く、これが、本来大切にすべきフォロワーの質を見落としてしまう要因にもなっています。でも本当にフォロワーを動かす力を持っていなければ、これも本質的ではありません。

文=中村朝紗子

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