「Cargoは一言でいえば車内コマースのプラットフォームだ」と同社CEOのJeff Cripeは話す。「車内で手の届く範囲にあるコンビニのようなものだ」
同社はウーバーやリフト向けに、クッキーのようなお菓子や鎮痛剤、耳栓のような商品を収納したボックスを提供する。乗客は好みのアイテムを見つけたらCargoのウェブサイトにIDを入力し、モバイルで決済を行う。
iPhoneの充電ケーブルは数ドルから。プロモーションとして無料で提供されるお菓子などもある。女性客には韓国製のスキンケアマスクなども好評だ。また、プリングルスなどの定番のスナックもよく売れている。
Cargoのサービスはドライバーたちに副収入をもたらす。売上の25%をコミッションとして受け取れるだけでなく、無料のアイテムであっても1注文につき1ドルが得られるのだ。また、顧客はCargoのサイト経由でチップを払うこともできる。商品が少なくなったら、自動的にアイテムが送られてくる仕組みだ。
CripeによるとCargoはウーバーとリフトの双方と良好な関係を築き、ドライバーの営業地域や時間帯に合ったアイテムを供給しているという。例えば空港からの送迎が多いドライバーならば、スマホの充電ケーブルは欠かせないアイテムだ。
平均的なドライバーはCargoから月額100ドルの収入を得るという。また、300ドル近く稼ぐ人もいるという。現状でのサービス地域はニューヨーク市とボストン、シカゴのみとなっている。テッククランチの報道ではCargoのボックスを備えた車は約2500台だという。また、サービスに申し込んだドライバーは2万名を超えており、現在、ボックスが届くのを待っている状態だという。
Cargoは今後の事業拡大を見据え、1月22日に新規で550万ドル(約6億円)の資金調達をアナウンスした。同社の調達額は累計で730万ドルに達している。同社の初期の事業パートナーにはケロッグの投資部門の「eighteen94 capital」も居る。
CripeはCargoの事業が、いわゆる「車内コマース」の入り口になると考えている。将来的には自動運転が一般化し、この分野で蓄積したデータを持つCargoはどのようなブランドが強みを持つかを知っているため、優位に立てる。今後は、車内WiFiやエンタテインメント事業に進出する可能性もあるという。
ただし、当座の目標はより多くの車にCargoのボックスを搭載させることで、年内に2万台の車両への対応を目標としている。「北米のセブンイレブンの店舗数(約1万軒)の約2倍になるのが目標だ。しかも、それぞれの店がカスタマイズされている点を売りにしたい」とCripeは話した。