1. 匿名を貫く
幸運をつかんだあなたが最も避けたいのは、注目の的になることだ。そして、そのための最善の策は、匿名のままでいることだ。だが、自分の思うとおりにはいかない場合もある。
例えば、米国の大半の州では宝くじの主催者側の透明性を維持するため、当せん者の氏名と居住する都市名、当せん金額を公表することが義務付けられている。当せん者の名前を伏せておくことが認められるのは、デラウェア、カンザス、メリーランド、ノースダコタ、オハイオ、サウスカロライナの6州だけだ。
ただ、公表することが決められている州でも、弁護士を当せん金の管理人とし、代理で受け取ってもらうことなどができる。当せん者が氏名を明らかにせずにおくための方法は、いくつかある。
2. 当たりくじにサインする
時代遅れに思えるだろうが、当せん者は今も当たりくじの裏にサインをする決まりになっている。宝くじは、無記名証券とみなされる。つまり、それを所持し、署名した人が当せん金を受け取る権利者と認められる。
署名をしていない状態で紛失し、拾った人が自分の氏名を記入すれば、法的に認められる当せん者はその人ということになる。
3. 受け取り方法を決める
米国では宝くじの当せん者は、賞金の受け取り方法を一括払いにするか、30年の分割払いにするか選ぶことができる。あなたが当せん者なら、どちらを選択するだろうか。
1月上旬、米国では同じ週に「パワーボール」と「メガミリオンズ」のそれぞれに当たりが出た。当せん金は合わせて10億ドル以上。今回の当選者が分割払いを選んだ場合、最初の受け取り分はパワーボールが3億5850万ドル、メガミリオンズは2億8100万ドルとなる。
考えるべき点は、お金の時間的価値だ。今日の1ドルは、明日の1ドルも価値があると考えられる。一括で受け取れば、そのお金を投資して、利益を得ることができるだろう。一方、分割にすれば、後先を考えない浪費を防ぐことに役立つはずだ。また、それぞれの場合に支払うことになる税額についても、比較してみるべきだろう。
4. 専門家を探す
大金を手にすれば、お金の管理に関する問題はより複雑になる。一人で対応しようとはしないことだ。少なくとも、金融と法律、税金に関する専門家をそろえた「顧問団」が必要になる。
投資や税金対策、保険、相続計画など、資産管理に関する重要な問題について、顧問たちが協力し合ってくれるようにすること。また、自分の小切手には必ず自分で署名をすること。
5. 今ある借金を完済する
お金の問題を簡潔にするための一つの方法が、学生ローンや住宅ローン、クレジットカードによる負債など、今ある借金を全て残らず返済することだ。完済してしまえば、その後のお金の問題について考えやすくなる。