最後に一つ重要な点について触れておく。それは、これらの制度をSansanでは「福利厚生」とは言っていない点だ。
「福利厚生」とは本来の意味は別にして、少なくとも「社員満足のためのもの」といったイメージがある。確かに「Know Me」は飲み代を補助するので、社員は喜ぶし、ある側面では「福利厚生」と言えなくもない。しかし、狙いはあくまで「ビジョン、理念に向かう望ましい行動を社員に促す仕掛け」であり、コミュニケーションを円滑にして「仕事の生産性を向上させること」である。
また、「社員満足のためのもの」と理解されると、ともすると「社員の権利」と誤解され、将来的に制度の廃止・改変がしずらくなるということも経営観点として抑えておきたい点だ。
これから複数回にわたって当社の社内制度を取り上げることになるが、それらは全て同じ考え方に基づいている。もしコラムを読んで読者の会社でも取り入れたいと思っていただけたら幸いだが、その際には是非この点も踏まえて一貫したメッセージを社内に発信することをお勧めする。
連載:生産性が高まる&楽しくなるワークスタイル設計
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