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2018.01.22 16:30

観光客排斥の動き強まるスペイン、外国人旅行者数で世界2位に

バルセロナで行われた「民泊」に対する反対運動(Photo by Albert Llop/Anadolu Agency/Getty Images)

欧州各地では2017年、「観光客は帰れ!」の声が高まりを見せ、テロ事件や異常気象などの発生も懸念された。だが、そうした中でも外国人の観光旅行者数は、前年比で7%増加した。

国連世界観光機関(UNWTO)によると 、昨年中に最も多くの外国人観光客が訪れたのは、前年に続きフランスだった。2016年には約8260万人の外国人が、観光目的で同国を訪問した。

外国人観光客数で昨年2位となったのは、スペインだった。人口およそ4700万人の同国には、8200万人余りの外国人が訪れた(前年は約7530万人)。マリアノ・ラホイ首相によれば、観光業の売上高は昨年、前年比12%増の870億ユーロ(約11兆7700億円)を記録。観光業は、スペインの国内総生産(GDP)の11%に貢献した。

ただし、観光客の増加はイビサ島やマヨルカ島のほか、バルセロナがあるカタルーニャ自治州などの住民の暮らしに多大な影響を及ぼしている。急激な外国人観光客の増加は、住民らの排斥感情を高める結果となっているのだ。スペインからの独立を目指すカタルーニャでは、エアビーアンドビーをはじめとする「民泊」の利用者が増加したことを受け、家賃が上昇するなどしている。

一方、欧州全体では、各国を訪れた外国人観光客は昨年、前年比8%増加した。地中海の沿岸部への観光客が増加しており、専門家の一部はその要因として、北アフリカやシナイ半島での過激派組織「イスラム国」によるテロの脅威を挙げている。

米国の人気は低下

3位の米国を訪れた外国人観光客は昨年、ドルが対ユーロで10%近く値下がりし、欧州の人たちにとってはより安価で休暇を楽しめるようになったにもかかわらず減少した。

米商務省の国際貿易局によると、同国を訪れた外国人は前年比で2017年第1四半期に5%減、第2四半期に3%減となった。米旅行協会によれば、過去2年間で740万人余り減少している。

ドナルド・トランプ大統領の強硬な発言や、一部の国の市民を対象とした入国規制について裁判所の審理が続いていること、外国人に対する非友好的な雰囲気があることが、「トランプ・スランプ」につながっていると指摘されている。

格安航空会社の増加によって、外国旅行ができる人は各国で増加した。一方、米国はビザ発給に関する厳格な規則を維持しているほか、ドルは(一部の国に対して依然として)強い。こうしたことも、外国人観光客が減少した要因とされている。

編集=木内涼子

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