テンセントの株価は19日の香港市場の終値で史上最高値の452.40ドルをつけた。マーは現在、世界で14番目に富裕な人物となっており、アジアでトップの富豪となっている。
中国人の暮らしに欠かせないメッセージアプリ「WeChat」を運営するテンセントは18日、グーグルと長期にわたる特許の共有で合意したと発表した。テンセントのテクノロジー分野での躍進は、わずかな期間で中国が世界のデジタル分野の覇権を握る存在になりつつあることを示している。
世界で最も人口が多い中国は同時に、世界最多のインターネット及びスマートフォン利用者を抱える国だ。中国の経済規模は2030年には米国を突破するとの予測もあがるなか、テンセントのビジネスはさらなる拡大が見込まれている。
テンセントは競合のアリババらとともに、海外のインターネット企業の進出を規制する中国政府の政策の恩恵を受けている。グーグルと同じ1998年創業のテンセントは、オンラインゲームやメッセージングサービスで初期の基盤を築き、約20年でネット業界の巨人として浮上した。
アリババ会長のジャック・マーが頻繁にメディアに顔を出すのに比較すると、テンセント会長のポニー・マーはあまり表舞台に出ない経営者だ。
しかし、ポニー・マーの投資家としての才覚は先週の香港市場でも再び証明された。1月15日、香港市場に眼科医療サービス企業の投資持株会社「シーマー・アイ・ケア・ホールディングス」が上場。株価はIPO価格の2.9香港ドルから金曜日の終値は12.88ドルまで上昇した。マーは同社株の2%を個人資産として保有している。
テンセントの株価の上昇は他の関連企業にも恩恵をもたらしている。南アフリカのヨハネスブルグ証券取引所に上場するメディア企業「ナスパーズ」は、テンセントの筆頭株主の一社であり、ナスパーズの株価は昨年約75%の上昇を遂げた。
テンセント社長の劉熾平(マーティン・ラウ)は1月17日発表のフォーブスの香港の富豪ランキングに33位で、今回初めて登場した。