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神経心理学者で脳のトレーニング法に詳しいシオドア・ツァウシデスは、この点を次のように明快に説明している。「マルチタスクは、100%の集中力をそれぞれのタスクに振り分けるものなので、一つのタスクに向けられる集中力は100%よりも小さくなる。結局、取り組むべきことに100%の注意と関心を向けられていない」

マルチタスクを行えば集中力が高まることはない。集中力は超能力ではないからだ。それどころか脳に過剰な負担がかかり、全ての活動が低水準で行われる。作業のスピードが上がっても、思ったような成果が上がらないので、その意味がなくなってしまう。

正しい作業方法とは

あなたの会社でも、マルチタスクを重視し過ぎて貴重な生産性やビジネスを失っているかもしれない。では、どうすればこの問題を解決できるのか?

基調講演業やリーダーシップ指導業を営むニーン・ジェームズは、一度に複数の業務を並行して行うことで多くの作業を低水準でこなすのではなく、現時点で時間と労力を費やすべきタスクを1つだけ決め、それに懸命に取り組むことが重要だと強調する。例えば役員の場合は、従業員に複数の仕事を立て続けに与えるのではなく、部下が1つのプロジェクトに最大限集中し、熱心に取り組み、最高の成果を提出するまで辛抱強く待つことだ。

「問題はもはや時間ではない。大事なのは時間と注意力、労力の組み合わせだ。これにより、結果が変化する」とジェームズは語る。

一流企業は、この問題に対し思慮深く創造的な方法で取り組んできた。中には「マインドフルネス」のトレーニングを通じて集中力の向上と賢明で積極的な意思決定を促していたり、仕事が忙しいときでも注意力を上げるためのパワーナップ(短い仮眠)や、同僚との会話のために定期的に休憩を取ることを勧めていたりする会社もある。

一つの作業に集中すれば、1日に完了できる仕事量も増えることを意識しよう。ジェームズは「1日の始まりに最も重要なタスクを3つ付箋に書き出して、迷うことがあればその付箋を確認すること」を提案する。

優れた業績をあげる企業はマルチタスクの短所を理解し、タスクの細部まで注意を向けることの重要性を認識している。1つのことに焦点を当てれば、比類なき効率性と価値を生み出せるのだ。

編集=遠藤宗生

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