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コース全体の美しさを凝縮したような4番ホール。クルーデン湾に注ぐ川と、深いラフに覆われた砂丘に挟まれたグリーンを狙う、正確なショットを要求される

スコットランドの東海岸側に位置するクルーデン・ベイ・ゴルフ・クラブは、美しい自然と、地形を生かした本格的なリンクスコースをもつ。世界の様々なゴルフランキングで上位に選ばれているが、日本人にはあまり知られていない、その魅力とは。


数々の素晴らしいリンクスが点在するスコットランドであるが、日本人の間ではエディンバラ近郊や西海岸側がよく知られている。比べると知名度が低いのが、アバディーンを中心とする東海岸側であろう。

アバディーンはエディンバラ、グラスゴーに次いで3番目の規模をもつ都市だ。戦前は軍港としても、産業都市としても知られ、ヒトラーがロンドンと並んで攻撃の対象にしたほどであった。最近は北海石油の拠点として繁栄しており、「ヨーロッパの石油の首都」とも呼ばれている。

繁栄している都市にはゴルフ好きも集まるのは当然のことだ。市街地から車でわずか5分の場所には、世界で6番目に古く、リンクスコースの面白さを凝縮した名コースをもつロイヤル・アバディーン・ゴルフ・クラブが存在する。そこから北へ約40km。ピーターヘッドという風光明媚な半島の近くに、宝石箱のようなクルーデン・ベイ・ゴルフ・クラブがある。

通常、はじめて訪れるゴルフ場では、事前にどれだけ勉強して臨んだとしても、最初からコースの全体像を掴むことは不可能だ。それゆえにワクワクしてティーオフしていく。しかしクルーデン・ベイのクラブハウスは一段高い位置にあり、コース全体を見渡すことができる。チェックインの段階で、その美しさに息をのまれるのだ。



プレイ中は、時にクラブハウスを見上げながら、海と風を堪能できる。景色の綺麗さとは裏腹にコースは難しい。風の影響とブッシュの深さは一流のリンクスと全く変わらない。

あっという間にラウンドを終えてクラブハウスに戻り、ギネスと温かいスープを飲んでいると、メンバーの方々に色々教えてもらうことができた。

1894年、グレート・ノース・オブ・スコットランド鉄道の資本により、御伽話に出てくるような観光地としてクルーデン・ベイ・ホテルが開業。それにともなって、99年、19世紀最後の年に、セント・アンドリュース・ゴルフ・リンクスを手がけたトム・モリスとアーチー・シンプソンの2人の設計でゴルフ場が開場された。

鉄道のおかげで、遠くロンドンからもゴルファーや家族連れの旅行者が押し寄せ、戦前の夏のクルーデン・ベイ・ホテルは大変繁盛していたようだ。閉館してしまったのは極めて遺憾なことである。

今は、絵葉書やお土産のデザインとして、当時のクラシックなクルーデン・ベイ・ホテルの姿を見ることができる。私は、マーカーやティーを入れるボックスとして、このホテルが書かれた鉄缶を利用しているほどだ。

文=小泉泰郎

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