CESでは様々な製品にアマゾンのアシスタントが搭載されて展示されていた。例えば水回り製品の「コーラー」が発表した鏡にもアレクサが搭載されており、シャワーやトイレを音声で制御できる。車内でエコーの機能が使えるデバイスの「Muse」も展示されていた。他にもラップトップやデスクトップ、テレビや食洗器などにもアマゾンのアシスタントが採用されていた。
アレクサ搭載のデバイスはあまりにも増えており、すべてを把握するのは専門家でも難しいほどだ。「様々なベンダーと話した結果、アマゾンがアレクサをプラットフォームとして盛んに売り込んでいることが分かった」と、調査企業Moor Insights & StrategyのMark Venaは話した。
アマゾンはアレクサがスマートスピーカーのエコーだけにとどまらず、プラットフォームとしての地位を確立することを目指している。時代は「アンビエント・コンピューティング」と呼ばれるフェーズに突入しつつあり、この分野でアマゾンの強敵になり得るのはグーグルしかいない。
グーグルによると、グーグルアシスタントは約1500のデバイスに搭載されている。その中にはエヌビディアやソニーのテレビ製品、「バング&オルフセン」のスピーカーなどがある。「ワールプール」のキッチン用品は、アレクサとグーグルアシスタントの両方に対応している。
一方で、賢さではグーグルアシスタントの方がアレクサよりも上のようだ。調査会社「360i」によると、グーグルホームは質問に対して答えを出す能力がアレクサの6倍だという。
しかし、グーグルアシスタントの方が性能は高いようだが、導入数ではアレクサ搭載のデバイスのほうが多い。実際のところ、アマゾンの発表ではアレクサが搭載されているデバイスの数は約4000にも上る。
「注目のガジェットのほとんどに“アレクサ対応”のシールが貼られている」とニュースメディア「MacWorld」のMichael Simonは語る。「消費者に買ってもらうには、まずアレクサ対応とし、次にグーグルアシスタントに対応させるというのが現状だ」
もちろんアップルも重要なプレーヤーだとVenaは指摘する。同社のスマートスピーカーである「ホームポッド」はまだ発売されておらず出遅れた感があるが、その機能についてアップルが多くを語っていないのは興味深い。「アップルは素晴らしいオーディオデバイスとして、製品を差別化するはずだ」