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人が人らしく働ける環境づくりがなぜ、社会に大きなインパクトを与えるのか。

「WELLNESS AWARD OF THE YEAR」の主催であり、現代ビジネスの課題に新たな視点で挑むFiNC代表取締役社長・溝口勇児に話を聞いた。


昨今、日本でもさまざまな企業が、本格的に着手し始めた「健康/ウェルネス経営」や「働き方改革」。企業の目標は、従業員の自由度を高めることによる、生産性、業績の向上だ。この取り組みを成功させるには、経営者サイドが、従業員との信頼関係を構築することを何より大切にしなければならない、と溝口勇児は言う。

「まず、会社側には社員の生活習慣や、メンタル面をある程度フォローする必要があります。生産性を上げるためには、そういったところを管理するITツールを揃える必要に迫られるかもしれません。こうした配慮に欠けてしまうと、組織に対する個々のエンゲージメントは高まらないので、パフォーマンスも上がらないのです」

企業が「働き方改革」を推進すれば、従業員には厳しい自己管理が求められるだろう。セルフマネジメントには苦痛が伴いそうだが、溝口はむしろ、一定の知識を備えれば、自分の体や心をコントロールする楽しさのほうが勝ると言う。

「私はトレーナーとして、トップアスリートのストレングスやコンディショニングをサポートしてきました。彼らは何も一年中、節制しているわけではありません。試合の日にパフォーマンスを最大化させればいいのです。そのためには、自分の人生をコントロールする力に優れていなければなりません。

そのベースとして、健康に留意しようとするのは、当然の考え方なのです。ビジネスの世界も同様で、オンとオフの切り替えを上手に行うことで、自己管理は有意義なものとなるのです」

FiNCでは、ひとりでも多くのビジネスパーソンが健康への意識を高められるようにと、スマホアプリを活用したサービスで個人に寄り添ったアドバイスを行っている。アワードを主催しているのも、ヘルスケアが難しいものではなく、誰もが楽しく、簡単に、気楽にできるということを感じてもらい、ロールモデルを広める目的がある。

心身の健康からしか革新は生まれない

「いま、ビジネスの世界では、人を会社の資源とするHR(Human Resources)という考え方が世界的に注目されています。例えばITやAIは革新的なサービスを社会にもたらしていますが、すべては人が起点です。彼らのような多くの有望なビジネスパーソンが健康を害することなく働ける環境を望んでいる以上、ウェルネス、ヘルスケアという分野がクローズアップされるのは必然なのです」

健康を基本とした「働き方改革」においては、明確なデータに基づいた環境改善が要求されるので、エビデンスが必要となる。

「例えばですが、二酸化炭素の濃度の高い場所で作業を続けていると集中力が落ちる。猫背を改善すれば呼吸を行いやすくなり、ストレスが軽減する。そういったことを示す研究結果があります。正しい知識をもとに体と心のメンテナンスをしていくことが、ビジネスでの成功はもちろん、幸福な人生の歩みへと結びついていくのだと、私は思っています」


溝口勇児◎1984年生まれ。高校在学中からトレーナーとして活動。延べ数百人を超えるトップアスリートや著名人の体づくりに携わる。コンサルタントとして数多の新規事業の立ち上げや、企業の再建を担う。2012年にFiNCを設立。代表取締役に就任。

文=篠原 洋 写真=後藤秀二 編集=高城昭夫

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