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2018.01.29

渋谷のIT企業でなぜ健康? 「最高健康責任者」が誕生した理由

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会長にかけあって専門部署をつくる

まさにこれが天職じゃないのか、これを仕事にしたい、するしかない。その日からまさに寝食を忘れて活動する日々が始まりました。ネットで健康経営に関するワードを検索し、出てきたすべてのセミナーに申し込み、会合に出席し、関連本を読み、すでに取り組んでいる企業の問い合わせ窓口に話を聞かせてほしいとお願いメールをしました。

問い合わせをしたほとんどの企業が快く応じてくれたこともあり、10社以上にヒアリングでき、健康経営コンサルタントの知恵も借り、2か月後に「DeNA流健康経営」の企画書がなんとか完成しました。

人間やりたいことに出会うと変わるものです。企画書ができたので人事本部長にダメ元でプレゼンしたところ、やってみたらと言われましたが、もう少し仲間が欲しくなりヘルスケア事業責任者にも相談しにいくと、南場(会長)にも声かけたらとなんともハードルの高いアドバイスをいただきました。

ここまできたらと、そのままの勢いで会長の元に行き、時間がかかったものの丁寧に説明したところ、一緒に働く仲間たちが絶好調でいるのは良いことだ、と会長自ら健康経営の責任者であるCHOになってくれました。

健康経営を知ってから専門部署ができるまで約5か月。いま考えてもこのスピード感で進めることができ、タイミングの絶妙さは幸運だったと思います。新しいことに挑戦させてくれる土壌が会社にあることに感謝しています。

そうして2016年1月にCHO室は誕生しました。その3か月後、突然CHO室に一件の連絡がきました。DeNAが健康への取り組みを始めたという話を聞きつけた「渋谷のラジオ」制作部長の西本武司さんからでした。

西本さんに初めて会った時、ざっくばらんにCHO室のミッションや個人的に関心のある健康話をすると、「そんなにみんなを健康にしたいなら、そのままラジオで話さない?」と即座にお誘いをいただきました。パーソナリティ経験なんてあるわけはなく、多少不安な気持ちはありましたが、DeNAの人が健康になっていく様子を伝えることで、ラジオを聴いている人の役に立てたら良いなと思い始めました。

番組名は「渋谷でケンコー」です。これまでにゲストは総勢50名以上、ハーバード大学の客員教授からオリンピック選手、経済産業省のキャリアから金沢で発酵食品をつくっている人まで、様々な分野の方をゲストに招き、健康についてフリートークをしてきました。

次回から、「渋谷でケンコー」でも話した、知って得する健康情報をお伝えしていこうと思います。

文=平井孝幸

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