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2018.01.23 08:30

中学生がロボットを製作、鯖江の「Hana道場」が面白い理由


子どもたちは遊びながら成長

Hana道場という場をつくって良かったと思うことは、子どもたちがすごいスピードで成長していくところを目の当たりにできたことです。せっかくつくった「場」なので、使ってもらわないと意味がないですし、遊びに来てくれることがただただ嬉しかったのですが、子どもたちは遊びながら成長していきました。

ここに置いてあるレーザーカッター、3Dプリンターなどは、子どもたちが新しいモノをつくるための道具です。「さばえカニロボット」を作ったひとり、中学2年生の永宮君は、Hana道場開設当時まだ小学生で、こども向けパソコン「IchigoJam」で100以上のゲームをつくりだした子どもプログラマーです。

永宮君は、道場に通うようになってすぐ、レーザーカッターという新たな道具も使いこなすようになりました。何ができるかを考えて、さまざまな色のタイルに数字を入れてスライドパズルをつくったり、親御さんに頼まれたのか家の表札をつくってみたり。


「さばえカニロボット」を製作する永宮正陽君と三崎雅史君

レーザーカッターをマスターしたら、今度は3Dプリンターにも挑戦し始めました。3Dプリンターで何かをつくるには、まずは3Dモデルを作成しなければなりません。自分で3Dモデルをつくれるソフトをパソコンにダウンロードして、形をつくって3Dプリンターで印刷。失敗したら、どの部分がダメだったのか考えて、設計し直してまた印刷。そのうち、学校の先生にプレゼントするからと、イニシャル入りのペン立てを作成。世界にひとつだけのオリジナルプレゼントです。

次世代ものづくりの担い手が誕生

永宮君に、「Hana道場ってどんな場所?」と聞いてみたところ、「道具が自由に使えるので、失敗したらどうしようとか考えず、とりあえずつくってみようと、すぐにものづくりができる、僕にとって重要な場です」と言ってくれました。

子どもたちの可能性って無限大です。道具をどのように使うのか。何がつくれるのか。何をつくるのか。自分で考えて新しいモノをどんどんつくっていきます。

さらに永宮君や三崎君たちのものづくりの現場を見て、小学生たちが3Dプリンターを使いこなすようになってきました。小学4年生の子は、お母さんにスマートフォン置きをつくってプレゼント。スマートフォンのサイズを測り、手書きで図面をおこし、パソコンで3Dモデルをつくって完成させたのです。子どもたちに驚かされると同時に、大人たちも子どもたちに刺激をもらっています。

先生がいて生徒がいる「教室」では、先生は教える人で生徒は教わる人。一方通行です。しかし、Hana道場では、子どもも大人もさまざまなスキルや多様な発想を持ち合わせていて、それぞれが先生であり生徒です。

福井県鯖江市は、眼鏡、漆器、繊維の地場産業があるものづくりの町で、ITを使った次世代のものづくり産業の担い手が生まれつつあります。難しい事は何もしていません。私がつくったのは、Hana道場という子どもたちの遊び「場」です。

文=竹部美樹

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