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大きな可能性を秘めたエコシステムは、すでに動き始めている!
ここでは、PHILIPS PARTNERSHIP MEETUPで行われたセッションの模様をレポートする。

在宅医療が抱える課題とヘルステックが担う役割

遠矢純一郎 桜新町アーバンクリニック 院長


とおや・じゅんいちろう◎1992年鹿児島大学医学部卒業、同第3内科入局。今給黎総合病院呼吸器科部長、プラタナス用賀アーバンクリニック副院長を経て、04年同院在宅医療部を設立。09年より現職。

日本の医療は世界一だといいます。国民皆保険が実現しており、どの病院にもフリーアクセス。確かに恵まれているかもしれません。しかし現状約8割の高齢者が病院で一生を終えています。いわゆる自宅の“畳の上で死ぬ”ことがほぼ不可能という現実があるのです。

ところが療養病床削減の時代ですから、訪問・在宅医療に現場がシフトしていくことは不可避。そこで必要になってくるのが、全人的に患者を把握しているかかりつけ医の存在と、24時間駆けつけ可能な救急体制です。

もはや当院ではICT技術はなくてはならないものになりました。クラウドに電子カルテを保存し、スマートフォンでアクセス可能にすることで、いつでもどこでも患者の情報が得られます。

ただひとつ問題だったのが、医師が電子カルテに入力する暇がないということでした。しかし、それもボイスレコーダーで口述録音し、そのデータをクラウド経由で看護師に送付、テープ起こしと入力をすることによって解決しました。子育てなどの何らかの要因で、現場で働けない看護師資格をもった人材が、70万人いると言われているので、そのマンパワーを活用したかたちです。こうした訪問・在宅医療というのはひとつの病院でどうこうできる問題ではありません。これまで地域同業者は競合するものでしたが、これからは協業する時代。地域の医療機関が手を取り合ってエコシステム自体を変えていく必要があるのです。

パートナーシップで切り拓くNext Healthcare Innovationの可能性

・本間耕司 ヤマトロジスティクス代表取締役社長
・高原幸一 NTTドコモ執行役員ライフサポートビジネス推進部長
・堤 浩幸 フィリップス・ジャパン代表取締役社長


白熱したパネルディスカッションの様子。左からファシリテーターの相澤仁(フィリップス・ジャパン マーケティング&BCD兼戦略企画・事業開発統括部長)、堤浩幸、高原幸一、本間耕司の各氏。

フィリップス・ジャパンの描く未来に向けて協力する2社との意見交換がなされたパネルディスカッションでは、より現場に即したヘルステックのあり方についての真摯な議論が壇上で交わされた。

本間耕司(以下、本間):医療方面ですでに動き出しているのは、「ローナー支援サービス」。非常に高額な医療器械を素早く洗浄・メンテナンスし、すぐに次の現場で使える仕組みです。器械の回転率が上がり、使える現場も多くなる。それと「メディカルフルフィルメントサービス」では日本に進出を目指す企業に向けたサービスを展開しています。全国にきめ細かいネットワークをもつ物流会社ならではのサービスです。

高原幸一(以下、高原):我々も映像や音楽の配信などの「スマートライフ事業」の拡大に取り組んでいるのですが、そのなかの暮らし支援のひとつにヘルスケア事業があります。わかりやすいところでは「おくすり手帳」や「母子手帳」のデジタル化。珍しいところではスマートフォンのセンサーを利用して、歩けば歩くほど保険料が安くなる「あるく保険」などですね。

堤浩幸(以下、堤):面白い試みは大切ですね。どんなに良いものでも使う気になれないものでは普及しませんから。

高原:それから信用も大事ですね。「母子手帳」は出産・育児支援のNPO法人ひまわりの会さんの協力を得たことで利用者を増やすことができました。

本間:やはり顧客に寄り添うかたちでなくては意味がない、というのが現実だと思います。

堤:こうした企業が垣根を越えてともに動く流れが加速すれば、来るべき超高齢化社会もきっと明るい未来になると思います。

フィリップス・ジャパン
https://www.philips.co.jp

Promoted by フィリップス・ジャパン text by Ryoichi Shimizu photograph by Shuji Goto edit by Akio Takashiro

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